国立大学法人東海国立大学機構「Common Nexus」
施設統括部建築課 課長 橋本 健様事務部会計グループ 係長 安池 祐輝様


お客様との信頼関係を築き、維持発展させる“CR活動”を推進しています。CR活動は、企業理念の三つの礎である「信頼」「貢献」「繁栄」を実践する鴻池組の行動指針であり、この活動を通じて社会からの信頼を築き上げ、「お客様に選ばれる会社」となることを目指しています。※CR(Customer Relations):お客様との信頼関係

施設統括部建築課 課長 橋本 健様
事務部会計グループ 係長 安池 祐輝様

支配人 橋本 ゆき子様

所長 中嶋 秀和様
工事担当課長 佐藤 健太様

脇坂 健一郎様
星名 大介様

田中 秀仁様

鈴木 由彦様

西谷 俊二様


2025年7月、名古屋大学東山キャンパスに誕生した「Common Nexus(愛称:ComoNe)」は、東海国立大学機構が運営する共創拠点です。
「共有知」と「つながり」をコンセプトに、芝生に覆われた地下空間というユニークな設計で、世代や領域を超えた探究を支える施設として計画されました。学生から地域住民、企業まで、誰もが自由に集い、知恵を分かち合う新たな交流の場となっています。

■ 工事期間を通じてずっと付いてきてくれた
こうしたプロジェクトでは珍しくないと思いますが、着工から工事期間を通じて変更や見直しがありました。一貫して粘り強く、真摯に対応してくれたと思います。一言でいうと「ずっと付いてきてくれた」という印象ですね。
ご覧の通りの複雑な形状の施設ですし、着工から竣工、オープンまでのスケジュールも厳しい。その上、様々な分野の専門業者による工事が錯綜します。
その中で鴻池組の岩田所長は全体の交通整理役を務めてくれました。躯体工事から内装仕上げの定例会議はもちろん、施設統括部との設計変更や工期短縮に係る打合せなど、毎日のように開催される各種打合せにすべて入ってくれていました。
■ 地域に開かれたキャンパスで安全を確保しながらの工事
もともと「プラットフォーム新営プロジェクト」として、2020年の東海国立大学機構設立とともに、新たな共創拠点として構想されました。名古屋大学、岐阜大学の教職員や学生をはじめ、近隣大学も交えた設計ワーキンググループでの議論を重ね、社会へ開かれた施設でありつつ、名古屋大学を象徴するグリーンベルトの保存と両立する道を目指しました。着工したのは2023年のことです。現場は名古屋大学のキャンパス内の軸線となるグリーンベルト内です。古くから塀や門扉がないキャンパスとして知られていますが、名大生はもちろんのこと、附属中高の生徒や近くの南山大学の学生さんや地域住民の皆さんも通勤通学で通行されます。とくに最も人の通行が多い地下鉄出口近くに、工事車両搬出入の扉を設けざるを得なかったことから、安全確保・事故防止には一貫して気をつかってくれました。その分、資材の搬出入計画には大変な苦労があったと思います。
■ モックアップを通じた丁寧な合意形成
特殊な形状の建物ですから、設計図では見えない細部を慎重に確認する必要があります。設計者である小堀事務所のこだわりも大きく、我々からの要望に応える形で、鴻池組さんには多くのモックアップを作っていただき、非常に感謝しています。あらためて工事を振り返ってみると、モックアップによる検討・検証は重要なステップでした。たとえば、屋根の勾配がどうなるのか。曲線に見える部分を直線的な部材で現実の形にするにはこのように組むのか。天井部の目地の間隔はどれぐらいになるのか。そうしたことがモックアップによって理解できます。本工事に携わる様々な専門の関係者が、工事が進むと見えなくなるところや、難しい施工箇所に共通認識を持ち課題を共有することができました。ともに前に進んでいくという意味で、何度かあったモックアップを通じた丁寧な検討の機会が果たした役割はとても大きかったですね。
■ オープン後のComoNe
2025年3月末に引き渡しいただいて、ComoNeが同年7月にオープンしました。
やはり地上部の芝の定着面では、とくに夏は厳しいですね。まもなく2度目の夏が来ますので、そこをどううまく乗り切るかという課題感を持って取り組んでいます。また、学生だけでなく様々な年代の方を迎え入れる施設ですので、とくに小さいお子さんがケガしないよう、出っぱりの保護などについては、運営部門からの要望を受ける形で、細かく点検して対応してもらっています。また、全面ガラスの建物ですので、空調、特に夏場の空調は丁寧に見ていく必要があると思います。施設部門だけでなく、岩田所長や様々な皆さんに相談しながら、よりよい施設に育てていきたいと思います。そして学生たちに集ってもらい、より活用される施設へと成長していってほしいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。

■ 工事終盤のComoNe
まだ内装や照明が入っていない状態で、運営部門の立場から館内を見て回りました。もちろん図面は見ているわけですが、実際の建造物として建ち上がってくると、ここはこうじゃないかとか、運営を想定した現実の使い勝手の面から様々な要望が出てきます。大学側でそれらを集約しつつ、鴻池組さんや施工に関わる皆さんに実現方策を考えてもらいました。とくに、岩田所長には何かと相談した結果、細やかに粘り強く対応いただきました。また、工事の仮囲いに大学から広告や掲示スペースを出したいと要望して、快く受けてくれました。2025年7月1日、初めての一般開放には数千名の学生が詰めかけ、館内が人であふれかえったのを目にした時は、さすがにグッとくるものがありましたね。それまでの名古屋大学になかった施設に対する興味や期待の高さを感じた瞬間です。
■ 建物の見どころ
名古屋大学のキャンパス計画の軸線となる伝統の「グリーンベルト」の地下部を利用し、地下鉄名古屋大学駅から直結したアクセスのよさも魅力です。とくに学生たちが多く利用しているのがPASSAGEを見下ろす位置に設けられた1階の自習スペース(LEARNING COMMONS)です。自習スペースというと個に閉じた空間になりがちですが、すべての座席が地下フロアと向き合う吹き抜け構造となっていて、1階で静かに自習する学生たちの目線に、地下フロアでの展示やツアーなど様々な活動が自然と目に入ってくる構造です。この仕掛けはうまくいっていると思います。
■ 現在の課題
先進事例ならではの難しさを感じています。ComoNeに類似した施設を持っている国立大学はほぼありません。1万5千人の学生のためだけでなく、広く社会に開放する施設として、どう使っていくべきか、学生たちにも戸惑いがあります。様々な展示や活動にチャレンジしてもらえる雰囲気づくりや仕掛けを進めつつ、友達や知り合いを通じた関係性の拡大に注力していきたいです。大学が目指す共創の場を止めずに、どうやって日常の点検やメンテナンスをしていくかについても、日曜・祝日や大学に学生が少ない時期などを見計らって、スケジュールを組んで対応してもらっています。
■ 今後の展望
いずれはもっと広く多様な方にお越しいただける、愛知や東海地区を代表する名所にしたいと思っています。この地域にはお城やテーマパークなど、多様な人が訪れる名所が多数ありますが、ComoNeはそれらに並び立つ名所になれるだけの施設です。「大学の中にある名所」にしていきたいですね。


株式会社グランビスタ ホテル&リゾートが運営する「神戸須磨シーワールド」とオフィシャルホテル「神戸須磨シーワールドホテル」は、須磨海浜公園(兵庫県神戸市)内に2024年開業。
白砂青松で名高い須磨海岸は、関西有数の海のリゾート地として発展してきました。その先駆けとなったのが、住友家15代当主住友友純が設けた須磨別邸(設計:野口孫市)です。のちに鴻池組も邸内建物新築工事に関わりました。戦後、須磨別邸は神戸市に寄贈され、海水浴場や須磨水族館、ヨットハーバーなどが立ち並び、多くの人々に愛されてきました。そして2019年に再整備方針が決定。グランビスタ ホテル&リゾートが参加する「神戸須磨 Parks + Resorts共同事業体」が2022年から建設工事に着手しました。神戸市立須磨海浜水族園の建て替えを始め、約14万㎡に及ぶ園内全体を再整備する一連の工事は、神戸須磨シーワールドと神戸須磨シーワールドホテルが2024年6月に開業したことで、完了しました。
このビッグプロジェクトにおいて、グランビスタ ホテル&リゾートはホテルを手掛け、鴻池組はホテル建設、および、隣接駐車場の建設工事に携わりました。本工事におけるお客様と鴻池組社員の関わりについてご紹介します。






西湘バイパス・西湘パーキングエリア(下り線/神奈川県小田原市国府津)は、相模湾に面した風光明媚な休憩施設で多くのドライバーが利用します。一方、海岸に面する地形から、波浪や高波による被害をたびたび受けており、これまでにも災害復旧工事が実施されてきました。そうした中、2019年の台風19号の高波により、パーキングエリアに甚大な被害が発生しました。応急復旧後に仮営業を行っていましたが、防災機能を抜本的に強化するため、災害復旧工事を行いました。2020年7月より設計を含めた工事に着手し、2023年4月29日にリニューアルオープンしています。











鴻池組さんとはこのたびの新社屋工事で初めてお仕事をしました。まず驚いたのが竣工に向けたスケジュール管理の精密さです。建築業界は納期管理に厳しいと聞いてはいました。とはいえ丸2年の新社屋プロジェクトで、ちょっと遅れが出る場面って必ずあります。それをどこで吸収してどう全体をおさめていくかという想定がきちっとできている。何度もすごい!と思う場面がありました。
また、私は情報インフラ周りの施設設備を整備するにあたって、社員にとって便利で使いやすい電気通信機器の配置や情報システムのあり方を考える担当だったのですが、工期も残り少なくなっているのに電源の位置決めが遅れた時は冷や汗をかきました。コンクリートの仕上げや塗装の関係で全体が遅れかねないのに、決められないのです。鴻池組さんに相談したところ、検討を重ねたすえ「この方法・順番で進めればいけますよ」と解決の方策を出してくださって本当に助かりました。

新社屋プロジェクトの記録・保存や情報発信という観点からも、現場の皆さんとお仕事をする場面が多くありました。工期中は近くの別館に本社機能を仮移転していたのですが、解体が始まり社屋がどんどん建ち上がっていく中で、工程に応じて様々な重機や資材が入れ替わり立ち替わりやってくる。ものづくり企業の社員としては、そのプロセス自体が実にワクワクするものでした。よく現場をのぞきに行ってましたし、タイムラプスカメラで記録できないかと相談したこともあります。鴻池組の皆さんはいつも私からの相談に丁寧に対応してくれました。タイムラプスも安全に設置できる場所や画像が撮りやすい角度などを一生懸命考えてくださって、いい記録を残すことができました。

鴻池組さんのよさは、諦めないところにもありますね。建築って私たち施主の希望や設計者が思い描いた理想の建物を、現実の工法や材料を使って具現化していくところがすごいわけです。けれど、その中には費用や材料、工法などを巡って、とても難しい判断を迫られることがあるんじゃないでしょうか。新社屋でいえば、あの「環縫い」を現実にするのがどれほど大変か。とくに金属材料が高騰する中での建設になりましたので、デザイン性や費用、強度や安全性、施工難易度などのバランスをとるのはとても難しい。しかし鴻池組の皆さんは「環縫い」を諦めず、一生懸命に実現する方策を考えてくれました。仕上がった時はとても嬉しかったですし、今も社員に愛されるデザインとなっています。
また、私たちが図面や現場を見る中でちょっと気になって何となく口にしたことを、鴻池組の方は軽く考えない。忘れないし、考えることを
諦めないんですよ。しばらくして、「壁にくぼみを設けられると確認できました」「あの備品が入るようギリギリまで高くしました」といった対応
結果をご報告いただき、驚くことが何度もありました。


今回の工事を通じて鴻池組に抱いた印象は、コーポレート・スローガンとして掲げられている「まじめにまっすぐ」をまさに体現している企業だということです。
現地視察の折、コンクリート打設後に散水し、ポリフィルムで覆われているところを目にし、素人である私などは「乾燥しにくくなるのでは」と思いましたが、設計事務所の方から湿潤養生という、コンクリートのひび割れを防ぐ方法であることを教わり『コンクリートひとつとっても、施工には細やかな配慮が必要なんだ』と感心しました。
同様に製造エリアの床に塗られた樹脂塗料について、私たちから見れば十分綺麗に見えるのに、「皺が入っている」ということでやり直しをされていたこともあり、そうした工事の進め方を見るにつけ、良い意味で泥臭く、顧客目線を徹底されていることを痛感いたしました。
また、工事品質とは関係ない話かもしれませんが、当社の代表が鴻池組職員の挨拶の仕方に「マニュアル化したものではなく、体に染みついているもの」といたく感心し、どのような教育を行っているのか、鴻池組へ確認に行くよう指示されたこともありました。このようなことにも「まじめに、まっすぐ」が貫かれているという印象を持っています。
「顧客の立場に立って」「顧客目線で」、ビジネスの世界でよく出てくるフレーズではありますが、それを実践することは容易ではありません。しかし、今回の工事を通じて鴻池組は、基本的にNOとは言わず、解決策を考え、そして提案していただけました。

製造エリアのむき出しの鉄骨に電源ソケットの設置は良くないと伝えると、すでに完成の状態であったにもかかわらず、化粧パネルで覆っていただけました。協力会社への説明、手配、段取り等を想像すると、現場の大久保所長や泉田さん、米倉さんのご苦労は察するに余りがあり、大変感謝しております。
また、当初の建築代金を超過しないよう、一貫して代替品の提案等に努めていただき、「設計指定品に決めていればよいのに…」と発注者の立場でありながら感じたことすらあります。
「信頼」という字は、信じて頼ると書きますが、こうした鴻池組の仕事ぶりを見ていると、否応なしに頼ってしまうことが多々ありました。


鴻池組さんとのお付き合いは決して古いわけではありません。しかし気がつけば、お願いする工事が増えて「何でも相談できる鴻池組」という存在になっていました。
とはいえ、鴻池組さんにだけ声をかけているわけではなく、当社ではすべての案件を入札にかけています。どんなにお付き合いが長い会社さんでも横一線で、多い時には10社ほど参加されます。鴻池組さんはそこを何度も勝ち抜いてきた。すごいですよね。では、鴻池組さんの提案って何がいいのか。タイガー魔法瓶という会社をよく分かっていて、ズバッと本質を突いてこられるんですよ。

当社が発注する一つひとつの工事には、私たちが実現したい理想や目標があるわけです。鴻池組はそこへの理解度が高い。当該工事の意図をどのように具現化するのかを徹底的に考え抜いたことが、提出書面やプレゼンテーションからよく伝わってきます。加えて価格や品質、技術のバランスもよい。複数の選択肢があるところでは「費用はかかるけれど、こんな風によいものになる」といったメリット、デメリットを詳しく示してくれます。そこにも自社の都合をあまり感じさせない。顧客の適切な意思決定を助けたいという誠実な姿勢がいいですよね。
誠実さは着工後にも感じます。一つひとつの作業を丁寧に進めてくれるのはもちろんですが、「誰かに見られているから」というような取り繕った感じがしない。どんな時でもきちんと仕事をやり遂げる自然な規律正しさがあります。最近は年間を通じて社内各所で工事してもらうことも増えましたが、当社社員から鴻池組さんに対して苦情めいた話はありません。敷地内で鴻池組の方が作業されていることにすっかりなじんで、親近感すら感じているんじゃないでしょうか。何かあったら「鴻池組さん」となるのも自然な流れかと思います。