建設業にとって喫緊の課題となっている「ワークライフバランス」と「ダイバーシティ」の推進について、鴻池組ではそれぞれ専門プロジェクトを立ち上げ、各種制度の整備やICTの活用による課題解決に着実に取り組んでいます。
鴻池組においては個人のさまざまな事情に合わせた多様な働き方を選択できる制度づくりによって、『生涯を通じて活躍できる労働環境』の確立を目指しています。また鴻池組は、社員一人ひとりがやりがいを感じ、心身ともに健康で永く働き続けられるよう、「働きがい」と「居心地の良さ」に溢れる、人が集まってくる企業となることを目指しています。
同時に建設業界全体が抱える深刻な課題である、技能労働者の高齢化と新規入職者の減少による次世代の担い手不足を解決するため、鴻池組とともに仕事をする方々の働き方改革を支援し協働しています。これにより、魅力に満ち働きたくなる業界となることを目標に『働き方改革』を進めています。
この『働き方改革』を通して企業価値を高め、さらにお客様と社会に貢献していく考えです。
鴻池組においては、『働く』ということをあらゆる角度から見つめ直してきました。ワークライフバランスの実現のためには、「時間外労働を前提としない働き方」とそれを「実践できる人材」が必要であると結論づけ、「制度改革」と「人材の育成」に力を注いでいます。
ワークライフバランス達成の先にある、真のダイバーシティとインクルージョンを獲得し、イノベーションに結実させていくことを目指し、その取り組みを進化させています。
また建設業界全体の働き方改革を推進していくために、CCUS※導入の推進、4週8閉所実現に向けた適正工期確保への取り組み、協力会社グループと一体となった現場生産性の向上など、鴻池組を取り巻く周囲を巻き込んだ働き方改革を進めています。
※CCUS:建設キャリアアップシステム
鴻池組では、職員個々の事情にあわせた働き方を後押しする制度として、2020年8月に「スライド勤務制度」を導入しました。そして、当該制度をベースとして、より多様で柔軟な働き方を推進すべく、2021年4月に「フレックスタイム制度」への移行を行いました。「スライド勤務制度」は1日の就労時間を前後にスライドできるという制度でしたが、所定労働時間として1日8時間が定められているため、早く帰るためにはその分朝早く出社しなければならない等の制約がありました。
「フレックスタイム制度」では、必ず働かなければならない「コアタイム」4時間と、自身で出退社時間を選択できる「フレキシブルタイム」を組み合わせることで、仕事の繁閑や日々の予定にあわせてより柔軟に働くことが可能となりました。労働時間を効率的に配分できることで、働きやすさの向上はもちろんのこと、生産性の面でも良い影響が出るものと考えています。
フレックスタイム制度の時間構成
鴻池組では、中期経営計画(2019-2021)における基本方針として、3つの柱を掲げており、その一つを「人材の能力開発促進」として「多様な人財の創出と活用」を目指しています。取り組みとしては、2016年10月に発足した「ダイバーシティ推進体制構築プロジェクト」を中心に制定した「ダイバーシティ推進方針」に基づき、全社的な推進活動を行っています。
具体的には、下記事項につき制度の拡充や改良を行いました。
また、女性総合職の採用(2019年4月/目標10%以上に対し15%見込)と、女性管理職の登用を積極的に進めており、女性活躍推進にも継続的に取り組んでいます。
これからも、個人の能力を最大限発揮できる場を提供しながら、多様な人財の活躍を後押しすることでイノベーションの創出に繋げ、更なる企業価値の向上を目指していきます。
鴻池組は、多様な人財を創出し、若くて強靭な組織構築を通じて、企業価値の向上を目指すために、ダイバーシティを推進していきます。
鴻池組では、健康経営宣言および健康経営ビジョンを策定し、取り組んでいます。
鴻池組 健康経営宣言
鴻池組は、社是の精神を根底に「社会と共に“豊かな地球”と“輝く未来”を築きます」の経営理念の下、ものづくりを通じて人々が安心して暮らせる社会の実現を目指してきました。
さらに、創業 150 周年を機に策定した長期ビジョンでは、「つくる、支える、共にする」の3つのアクションで幸せを築き、人と社会に4つの持続的な価値(社会価値、顧客価値、環境価値、従業員価値)を提供していくことを約束しています。
私たち役職員自身が幸せでなければ、人や社会の幸せを考えることは難しく、また、私たちが幸せでいるためには、心身共に健康な状態であることが大前提となります。
この考えを基に、鴻池組は健康経営に積極的に取り組んでいくことをここに宣言します。
2022年5月1日
株式会社鴻池組 代表取締役社長
渡津 弘己
「健康経営」を「働き方改革」と両輪で推進することにより…
①従業員満足度とエンゲージメント(会社と従業員の絆の強さ)の向上を図ります
従業員一人ひとりのライフステージに合わせた多様な就労環境と、従業員が定年まで心身ともに健康な状態を維持したまま働ける環境を会社が主体となって併せて整備していくことで、従業員満足度とエンゲージメントの向上を目指します。
②生産性の向上とイノベーションを創出しやすい風土を醸成します
会社が従業員の心身の健康を促すことで、従業員のストレス軽減による業務の効率化を進め、組織としての生産性向上を目指します。
また、従業員のモチベーションを高め、職場を活性化させることで、イノベーションの生まれやすい風土を醸成します。
③企業価値の向上と優秀な人材の確保に繋げます
当社は現在も「健康経営優良法人」の認定を取得していますが、さらに上位の認定である「ホワイト500」の取得を視野に入れることで、企業価値の向上と優秀な人材の確保を目指します。
2022年度実施事項
①プレゼンティーイズム・アブセンティーイズムの調査を開始し、健康経営進捗の指標とします。
②適正体重維持者率向上のために、積水ハウスで先行実施されている「ウォーキング・チャレンジ制度」を当社でも 実施します。また、制度が有効に機能するよう、当社独自のインセンティブを付与します。
③二次健診受診率の把握と向上のために、「要治療」および「要精密検査」の診断対象者に対し、保健師による 二次健診受診勧奨と受診結果の追跡を行います。
④喫煙率、飲酒習慣者率低減のために、保健師による教育と個別相談受付を開始します。
⑤メンタルヘルスケアの充実を図るために、メンタル不調者や不調による長期休務から復職を目指す従業員を支援 する仕組みを整備します。
2023年度実施事項
①セキスイ健保組合からの健診データフィードバックを受け、健康経営実施事項の見直しを行います。
②喫煙率低減のために、勤務時間内禁煙制度をスタートします。
③働き方改革のさらなる推進と従業員満足度向上のために、有給休暇の時間単位取得制度を整備します。
④従業員個々人の状況に応じた健康経営を進めるために、積水ハウスで先行実施されているヘルシーチャレンジ (アプリ)を導入します。
※ヘルシーチャレンジアプリは、健康診断と幸せ度調査の結果を踏まえ、AIが従業員個別に健康に関する アドバイスを行うものです。
⑤コミュニケーションが闊達で心理的安全性の高い職場の構築を目指し、(仮称)KONOIKE サンクスポイント 制度を導入します(2022年度を導入要否の判断を含めた検討期間とします)。
2024年度実施事項
①過去2ヶ年の当社の取り組みを踏まえ、健康経営推進に賛同される協力会社を支援します。
(必要に応じ、CSR調達方針の改正も検討)
グループ | 指標 | 目標値 | 説明 | |
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健康投資施策の取り組み状況 | ①定期健康診断受診率 | 100% | ||
②2次検診受診率 | 100% | |||
③ストレスチェック受検率 | 95%以上を維持 | 現在の受検率を維持 | ||
広く従業員に行う施策の参加率 | ④ウォーキングチャレンジ参加者数 | 1000名 | ||
ハイリスク者向け施策の参加率 | ⑤特定保健指導実施率 | 50%以上 | 積水ハウス目標値に準拠 | |
労働時間の状況 | ⑥残業月45時間以内 | 年間6回 | 2024.4からの強制適用を見据え前倒し | |
休暇取得の状況 | ⑦年休取得率 | 50%以上 | CSR目標に準拠 | |
従業員の意識・行動変容 | 健康経営理解浸透度 | ⑧eラーニング修了テスト受検率 | 95%以上 | |
⑨同上80%以上正答者率 | 90%以上 | |||
健康診断問診票の集計結果 | ⑩適正体重維持者率 | 64.1%以上 | 健康経営優良認定応募企業平均以上 | |
⑪喫煙率 | 20%未満 | 10%台を目指す | ||
⑫飲酒習慣者率 | 19.3%未満 | 健康経営優良認定応募企業平均未満 | ||
最終的な目標指標 | ストレスチェック集計結果 | ⑬高ストレス者率 | 7.4%未満 | 現在の実績(8.2%)を1割減 |
⑭高ストレス者産業医面談実施率 | 50%以上 | 半数以上を目指す(現在5.6%) | ||
離職の状況 | ⑮平均勤続年数 | ※経年追跡 | 2021年度:17.9年 | |
休職の状況 | ⑯私傷病による長期休務者数 | ※経年追跡 | 2021年1月ー12月の累計:20名 (1年間の休務経験者累計) |
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⑰メンタル不調による長期休務者 | ※経年追跡 | 2021年1月ー12月の累計:20名 (1年間の休務経験者累計) |
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プレゼンティーイズム | ⑱損失割合(WHO-HPQ) | 実績把握 | 実績次第で維持or低下を判断 | |
アブセンティーイズム | ⑲1人当たり日数(アンケート) | 実績把握 | 実績次第で維持or低下を判断 | |
ワークエンゲージメント | ⑳Well-being(人生満足度) | 60.85 | 直近実績を下回らない | |
㉑Well-being(ポジティブ感情) | 51.94 | 直近実績を下回らない |