技術広報誌ET

技術広報誌ET 2022年発刊号

大豆から生まれた浄化促進剤「ソイビオMA」の一般販売を開始

505号(2022年4月1日) 環境エンジニアリング本部 環境技術部 田中宏幸

ソイビオMAは、当社が食品材料メーカーの不二製油と共同で開発した、汚染土壌対策の分野におけるバイオレメディエーション(微生物の作用で環境汚染を修復する技術)の浄化促進剤で、2021年10月に一般販売を開始しました。当剤は、大豆からたん白質(分離大豆たん白)を分離する際に加熱濃縮工程を経て副生される大豆ホエイを原料としており、天然の栄養成分を豊富に含んでいる茶褐色で液状の製品で、専用のポリ容器(写真-1)に充填して販売されています。
ソイビオMAは、土壌中に供給することで揮発性有機化合物質(VOCs)や油を分解する微生物の活性を促進することができ、原位置での土壌・地下水汚染の修復が可能です(図-1:特許第6674741号)。現在、7件の現場適用の実績があり、いずれにおいても浄化目標値を満足しています。
従来品の6~7割の価格で、同程度の機能を有するため、薬剤費のトータルコストの低減が可能となります。また、ソイビオMAの活用は、大豆たん白の製造工程で副生される大豆ホエイのアップサイクル利用という観点から、サステナビリティに貢献できる側面も併せ持ちます。
今後、経済的かつSDGs実現に繋がる環境修復技術として広く活用されるように展開を図っていきます。

写真-1 運搬時の荷姿(20kg)

写真-1 運搬時の荷姿(20kg)

図-1 ソイビオMAによる原位置浄化のイメージ

図-1 ソイビオMAによる原位置浄化のイメージ

505号(2022年4月1日)の記事

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