スマートデバイスを活用した工事管理システム

開発の経緯

当社では建築工事を対象として、1992年に電子手帳、2002年にはPDA(Personal Digital Assistant)を用いた工事管理システムを開発し、マンション工事の検査業務を中心に適用してきました。しかし、システム導入の前作業に手間が掛かる等の問題やPDAの生産が終了したことなどから、徐々に適用工事が減ってきました。
このような状況の中で、急速に普及し始めたスマートデバイス(スマートフォンやタブレット端末など)を現場での管理に活用すべく検討を進め、今回新たなシステムの開発を行いました。
開発に当たっては、既存システムの問題点を利用者へのアンケートやヒアリングによって抽出するとともに、新たなデバイスやソフトについて調査を実施しました。その結果、図面閲覧性と携帯性に優れる7インチサイズのiPad miniを選定し、搭載するソフトについては、(株)レゴリスの図面閲覧ソフト(スパイダープラス)をベースに同社と共同して開発を行いました。 

 

開発システムと特長

〇配筋検査システム
 ・配筋リストの切出し作業を効率化
 ・配筋写真撮影時のデータ入力だけで写真帳を自動生成
〇仕上げ検査システム
 ・パソコン上でのデータ作成を効率化
 ・PDAシステムの良さを活かしつつ、新たなデバイスの機能を取り入れることで、現場での操作性が向上
 ・QRコードによる各種部屋情報の呼び出し機能
 ・使用目的に合わせた各種指摘一覧表が出力可能 

セキュリティ対策と運用

デバイスからの情報漏洩対策としてMDM(Mobile Device Management)管理サービスを利用することで、システム管理者による使用状況確認や紛失時のリモート操作による記録情報の消去等ができます。
昨年9月より数現場において試行を開始しましたが、従来のシステムに比べ効率が上がり、よりきめ細かな管理が可能となることが確認されました。今後、効果の検証やシステムの改善を行うとともに、検査以外の業務での活用を進める予定です。 

(東京本店 建築部 波多野 純) 

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472号(2014年01月01日)