山田課長が博士号を取得

平成21年3月19日、大阪本店土木技術部の山田浩幸課長が長崎大学より博士(工学)の学位を授与されました。

山田課長は昭和59年に芝浦工業大学を卒業後入社し、本社土木本部第一技術部に配属されました。その後、旧日本道路公団、宮城県、旧建設省の山岳トンネルなどで現場経験を積み重ねた後、現在の土木技術部に再配属され、これまで一貫して山岳トンネルの設計、施工計画、技術検討業務に携わっています。最近では、土木学会においてアセットマネジメントに関する研究や、トンネルの劣化予測といった維持管理に関する研究を進めています。

山田課長は博士論文「特殊条件下における山岳トンネル設計と維持管理手法の提案と適用」を、長崎大学大学院の蒋宇静教授の指導の下で執筆し、その中でこれまで土木技術部で携わった検討業績をまとめ、さらに今後重要となるトンネルの維持管理に対して、実現場へ適用できる合理的な維持管理手法を提案しています。

本論文の最大の特徴は、山岳トンネルの計画、設計・施工から維持管理にわたる一連の過程において、ライフサイクルコスト(LCC)を最小化するアセットマネジメント手法の導入を提案していることです。完成後に覆工に変状が発生する確率が高い特殊条件下で施工されるトンネルの設計・ 施工上の課題に対するLCCを考慮した対策工の考え方や、モデルトンネルを用いた劣化予測検討結果に基づき提案している新しい劣化予測手法が、トンネル維持管理への適用に有効であることを示しています。

この研究成果を、変状の発生確率の高い特殊条件下の山岳トンネルにおける、設計・施工・維持管理といった各段階のさまざまな課題解決に向けて適用されることが期待されます。

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455号(2009年10月01日)