技術とソリューション

ICT活用 ~3Dスキャナー~ 鴻池組旧本店洋室(文化財)の再現

再現の概要

登録有形文化財(建造物)として登録された鴻池組旧本店洋館の一室を、複数の3Dスキャナーにより計測しデータを取得しました。このデータに基づいてNC切削機、3Dプリンター等の最新技術を用いて部材に加工し、その後家具等への組み立て、手作業によるエイジングを行い「KONOIKE HISTORY LAB」※1 内の「旧本店再現ゾーン」にこの一室を再現しました。(写真1)

鴻池組旧本店 ※2

当建物は、1910(明治43)年、大阪府西成郡伝法町北(現:大阪市此花区伝法)に洋館と和館が連接して造られた、いわゆる和洋館併置型の建物で、両館は扉一枚を隔て行き来することができます。(写真2)

製作フロー

今回の再現に当たっては"触れる文化財"とする方針により、部位ごとに強度・耐久性などを検討し適切な材料、加工法を決定しました。計測から製作の過程は下図の流れで行いました。(図1)

3Dスキャナーによる計測

計測精度の異なる3Dスキャナーを目的に応じて使い分けしました。特に精緻な彫刻部分は計測精度1/100㎜の3Dスキャナーを用いて詳細なデータを取得しました。(写真3,4)

最新デジタル機器と職人の手作業による加工

彫刻部分については、主に各種デジタルファブリケーション機器による部材加工を行い再現しました。また、家具全体の組み立て、エイジング加工は、熟練の職人の手により行いました。(写真5~8)

再現された室

前述の過程を経て再現室が完成しました。先端技術と職人技をうまく組み合わせることが、貴重な文化財の再現や保存・活用に有効であることが実証されました。(写真9,10)


関連リンク 

※1 https://www.konoike.co.jp/company/labo.html

※2 https://www.konoike.co.jp/dempo/

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