技術広報誌ET

技術広報誌ET 2021年発刊号

施工現場でのデジタルトランスフォーメーション(DX)の活用

502号(2021年7月1日) MR(Mixed Reality)の現場試行 工務管理本部 技術統括部 ICT推進課 波多野 純

はじめに

ここ数年DXの進化は加速し、建築の施工現場でもデジタル技術を活用する場面が増えてきました。BIMモデル等の3D画像をVRやARを代表とするxR技術(図-1)を用いて、立体的に確認できます。さらに最近は、「複合現実」(以下MR)と呼ばれる、VRとARを融合した技術の活用が各方面で試みられています。このMRを用いることで、現実の三次元空間にPC等で作成した仮想空間をヘッドマウントディスプレイ上に重ねて表示することができます。また、位置情報やマーカーを使って建物モデルと現実空間の座標を一致させることにより、施工現場での活用が進むと考えられます。

xR技術の比較

図-1 xR技術の比較

当社でのMR活用状況

当社では、各種MR機器の中からMicrosoft HoloLens 2(写真-1)を用いて、主に以下の活用シーンに関して、施工現場での試行を進めています。

Microsoft HoloLens 2

写真-1 Microsoft HoloLens 2

(仮称)KONOIKEテクノセンター新築工事での試行

現在、大阪市内で建設中のKONOIKEテクノセンターでの試行例を紹介します。

杭芯出し状況 (左:図面モデルを合成 右:実際の投影画像)

写真-2 杭芯出し状況 (左:図面モデルを合成 右:実際の投影画像)

鉄骨建て方ステップを現地で確認

写真-3 鉄骨建て方ステップを現地で確認

おわりに

今後も進化するMR機器や周辺機器、通信インフラを用いて、建設DXへの取り組みを一層強化することで、近未来の建築生産像を描きたいと思います。

502号(2021年7月1日)の記事

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