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第34回 廃棄物資源循環学会研究発表会にて発表

2023年09月22日 リリース

鴻池組の社員が「第34回 廃棄物資源循環学会 研究発表会」にて、研究発表を行いました。

廃棄物資源循環学会は、廃棄物の適正管理やリサイクルの推進を中心とし、物質循環と廃棄物管理に関する学の体系化を進め、学術的立場から社会の先導的役割を担い、循環型社会の形成と廃棄物問題の解決に貢献することを目的としています。

このたびは「水素燃焼で生成する高温過熱水蒸気を用いた粉末活性炭吸着PFAS類分解処理技術の開発」について発表しました。

開催概要

日時:2023年9月11日~13日

場所:大阪工業大学 大宮キャンパス

発表要旨

タイトル:「水素燃焼で生成する高温過熱水蒸気を用いた粉末活性炭吸着PFAS類分解処理技術の開発」

発表者:鴻池組 大山 将

連名者:鴻池組 松生隆司、中島卓夫、平尾壽啓

    中外炉工業 大久保朋哉氏、明賀法之氏、河野友郎氏、小嶋 聡氏

鴻池組と中外炉工業では、水素燃焼で生成する高温過熱水蒸気を用いて粉末活性炭に吸着させた有機フッ素化合物(PFAS)を分解処理する技術に関して共同開発を進めています。

今回、新たに作製した水素燃焼式高温過熱水蒸気分解処理試験装置を使用し、PFOS等を含む泡消火薬液の希釈液に粉末活性炭を添加して作製した「PFAS 吸着粉末活性炭スラリー」の処理実験を行い、その結果を第34回廃棄物資源循環学会研究発表会で口頭発表しました。

泡消火薬液に主に含まれているPFOSの分解効率/分解除去効率はともに99.9999%以上、次いで濃度の高かったPFHxS99.999%以上/99.9999%以上、1オーダー濃度が低かったPFOAPFHxAはともに99.99%以上でした。初期濃度によって分解効率/分解除去効率の値は左右されますが、PFOSではともに99.9999%以上(6ナイン)が得られており、本技術で適切にPFASが分解処理できているものと判断している旨を発表しました。

口頭発表の様子(鴻池組 大山)

PFAS関連技術としてもう1編の発表も行いました(ポスター発表)。

タイトル:「PFASを吸着した廃活性炭からのPFAS抽出条件の検討」

発表者:鴻池組 平尾壽啓

連名者:鴻池組 大山 将    総合水研究所 中井智子氏、米澤武志氏

今後の展望

最近、PFOS等の有機フッ素化合物(PFAS)に関する環境汚染がメディアで報じられる機会が増えており、社会的関心を集めています。一方、地球環境問題への対応として、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みの加速が世界的な潮流となっています。今回発表した「水素燃焼で生成する高温過熱水蒸気を用いた粉末活性炭吸着PFAS類分解処理技術の開発」では、PFASの高い分解効率/分解除去効率が得られたことに加え、高温過熱水蒸気を生成する手段として水素を用いているため、燃料燃焼由来のCO2排出がゼロであることも報告しました。有害化学物質の処理を低炭素型燃焼技術で達成しようとするアプローチは社会的意義が非常に高い取り組みと考えており、社会実装に向けて共同開発を加速させていきたいと考えています。

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