鴻池組は、国際目標であるSDGs(持続可能な開発目標)の枠組みに則り、環境・社会に高い次元で配慮した経営を行う姿勢を明確にすることで企業価値の向上を図ることを目的に、KONOIKE Next Vision [ for
SDGs ]を策定しています。
策定に当たっては、強みを持つ環境分野の成長戦略を描くのみでなく、事業活動が環境に与える負の影響の軽減についても意欲的な目標を掲げました。その他、社会の安心・安全に貢献する分野と従業員や協力会社の方々の働きがいと安心に貢献する分野にも長期目標を定め、つまりは、「地球環境」「住環境」「労働環境」の3つの側面で、今後約10年の月日をかけ当社が到達すべき姿を示すものです。
KONOIKE Next Vision [ for SDGs ]を柱にCSRとESGに配慮した経営を行っていくことで、常に社会から求められ、社会に貢献できる鴻池組を築いてまいります。
SDGsの枠組みに則り、環境・社会に高い次元で配慮した経営を行う姿勢を明確にすることで企業価値の向上を図ることを目的に策定しているものです。
●施工段階のCO2排出量(原単位)を1990年度比で半減(2050年には実質ゼロ)
●事業で使用する電力の80%を再生可能エネルギーで発電・調達(2050年には100%以上)
●建設廃棄物のリサイクル率100%、廃プラスチックゼロ
●環境関連事業の売上高を事業全体の30%まで拡大
●災害対策およびインフラ老朽化対策技術の新規実用化20件
●再生可能資源の活用と建物のゼロエネルギー化に関する技術の新規実用化20件
●従業員満足度調査「総合満足度」、前年度実績以上の継続
●労働災害度数率 0.15以下
外国人職員や女性職員、ベテラン職員など、多様な人財が働く現場で、誰もが安心して働くことができる環境整備に努めています。たとえば、業務プロセスにICTを取り入れることで、全員が打ち合わせに揃わなくてもコミュニケーションが取れるようになりました。また、事務所へ移動しなくても現場の情報を即時共有するツールを活用すれば、時間を効率よく使えます。様々な手段を組み合わせ、残業抑制や休日の確実な取得を進めています。
現場の記録写真をドローンで撮影
現場レポートをその場で作成し(左)、それをもとに現場内会議室にて即時打ち合わせを実施(右)
ステークホルダーと自社にとってのマテリアリティ(重要課題)を選び、その中でも長期的に取り組むべきテーマについて指標と2030年の目標を策定しました。
ESG(環境・社会・ガバナンス)の様々な課題について、ステークホルダーにとっての重要度を縦軸、自社にとっての重要度を横軸とするマトリクスの中で 評価し、マテリアリティ(重要課題)を選定しました。
ステークホルダーにとっての重要度
|
|
|
|
|
|
自社にとっての重要度
※コーポレートガバナンス、コンプライアンス、労働安全衛生管理は継続的に重要度が高い項目であるため、マッピングから除外
※重要度が低いと判断された課題はマッピングから除外
選定したマテリアリティ(重要課題)を、12のESG重要テーマに集約しました。
気候変動への対応
資源循環の促進
水資源の保全
生物多様性の保全
大気・水質・土壌の汚染防止
品質の確保と顧客満足度向上
サプライチェーン・マネジメントの推進
持続可能な社会の実現に向けた技術開発
公共工事発注方式多様化への対応
防災・減災技術の向上
災害復興支援
インフラの老朽化対策
人権と多様性の尊重
長時間労働の是正
働き方改革の推進
働きがいのある職場環境の実現
健康経営の推進
生産性の向上
ICT活用による生産性向上技術への対応
自社人材の確保と育成
建設業全体の担い手確保と技術者育成
地域社会との融和
発展途上国の経済発展
コーポレートガバナンス
コンプライアンス
リスクマネジメント
BCP(事業継続計画)
消費者保護・情報セキュリティ
労働安全衛生管理
ESG重要テーマごとに、SDGsへの貢献度を管理するにふさわしい指標を検討するとともに、達成すべきレベルが高く長期スパンでの管理が 必要なものへの絞り込みを行いました。
目標管理手法凡例
◎:達成すべきレベルが高く長期スパンでの管理が必要なもの
◯:年度ごとの管理に向くもの
ESGの重要テーマ | 目標管理 手法 |
長期管理の場合の指標候補 | |
---|---|---|---|
E環境 | 脱炭素社会の実現 | ◎ | 施工段階のCO2排出量・事業で使用する電力の再生可能エネルギー比率 |
資源循環型社会の実現 | ◎ | 建設廃棄物のリサイクル率と廃プラスチック減量化 | |
自然共生社会の実現 | ◎ | 環境関連事業の売上高割合 | |
S社会 | 顧客満足度向上 | ◎ | 災害対策やインフラ老朽化対策技術の新規実用化件数 再生可能資源の活用と建物のゼロエネルギー化に関する技術の新規実用化件数 |
社会の安心・安全への貢献 | ◎ | ||
人権と多様性の尊重 | ◎ | 従業員満足度 | |
働き方改革 | ◎ | ||
人材育成 | ◎ | ||
地域社会への貢献 | ◯ | - | |
Gガバナンス | コンプライアンスの徹底とガバナンスの強化 | ◯ | - |
リスクマネジメント | ◯ | - | |
鴻池安全衛生管理システム(KOHSMS)の継続的改善 | ◎ | 労働災害度数率 |
KONOIKE Next Vision[for SDGs]を2020年に策定し、環境に関する非常に高い目標が設定されている為、目標達成に向けた具体的な方策やリテラシー向上策をESG推進委員会環境部会で検討し、これらを取りまとめた「KONOIKE Eco Challenge1.0」を環境領域の重要な指針として策定しました。さらに2022年度には「KONOIKE Eco Challenge 2.0」へアップデートしました。
また、積水ハウスグループ全体で、環境省「エコ・ファースト企業」認定を取得し、「エコ・ファーストの約束」を社会に公表している他、「RE100」や「SBTイニシアチブ」など国内外の各種環境活動に参画している関係から、「KONOIKE Eco Challenge2.0」は環境領域における積水ハウスグループ企業としてのコミットメントの性格も有しています。
KONOIKE Eco Challengeの実施にあたっては、全社一丸となっての組織的取り組みに加え、役職員の一人ひとりの行動変容が重要なカギを握ります。そこで、どの部署・職務を担当している鴻池組役職員であっても身につけておいてほしい環境領域の資質やスキル、知識などを検討し、「環境リテラシー」として具体化しました。この枠組みに基づいて、2022年度は知識の習得・確認を推進するとともに、習得した環境リテラシーを活用した社員一人ひとりの行動・実践を促していきます。
ベトナム・ダナンフジキン新築工事事務所では、日本とベトナムの工学系学生対象プログラムを開催しました。まず、日本の大学で建築生産を学ぶ学生を対象としたリモート講義プログラムでは、海外での建築現場のことや、ベトナムの建設業が思っていたより進んでいたことなど、多岐にわたって紹介しました。次に、地元ダナン工科大学の学生を対象に現場見学会を開催しました。ダナン工科大学の卒業生である現場スタッフに説明を担当してもらうことで、鴻池組や日本の建設業をより身近に感じてもらう機会となりました。