技術とソリューション

異種強度コンクリートの打ち分け工法 VERJON工法

梁の上部とスラブに同一のコンクリートを使用することで、品質・施工性・経済性を向上させます。

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技術概要

一般的な鉄筋コンクリート造建物において、梁のコンクリート強度は、床スラブで必要とされるコンクリート強度に比べて高いことが多くなります。そのため、梁と床スラブの間に鉛直打継部を設け、それぞれに別のコンクリートを使用するか、あるいは施工性を優先させて床スラブにも梁と同じ高強度コンクリートを使用する必要があります。 鉛直打継部を設ける場合、打継部の型枠の設置やコンクリート打設順序等、施工が煩雑になるとともに、この部分にひび割れが発生することが懸念されます。一方、床スラブに梁と同一の高強度のコンクリートを使用した場合、材料コストがアップします。さらに、高強度コンクリートはセメント量が多く、粘性が高いため、床スラブ表面の均し仕上げが困難になったり、収縮ひび割れが発生したりすることが懸念されます。 VERJON工法は、主にハーフプレキャスト鉄筋コンクリート梁への適用を想定しており、梁の上部に床スラブと同一の普通強度のコンクリートを使用することで、上述の問題を解決し、品質・施工性・経済性を向上させる工法です。

主な特長

・鉛直打継部がなくなることで施工性が向上するとともに、床スラブの一体性・連続性が保たれるので、品質も向上します。

・梁上部や床スラブの高強度コンクリートが不要になるので、床スラブ表面のコテ仕上げが容易になり、施工性が向上するとともに、床スラブ表面のひび割れ発生を抑制でき、品質が向上します。

・高価な高強度コンクリートの量を軽減できるので、経済性に優れています。

・高強度コンクリート量の軽減により、CO₂発生の大きなセメント量を低減でき、環境面にも優れています。

建築技術性能証明

本工法は、数多く実施した構造性能確認実験によって、その性能が裏付けられています。また、(一財)日本建築総合試験所から建築技術性能証明を取得しており、通常の確認申請(適判含む)で対応可能です。  

※VERJON工法:none VERtical placing Joint(鉛直打継部のない)の意

※本工法は、錢高組、安藤ハザマ、鴻池組、大末建設、大日本土木、NIPPO、長谷工コーポレーション、 ピーエス三菱、三井住友建設、9社の共同開発です。

※本工法は、特許取得済の工法です。

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