「福島県内特定廃棄物セメント固型化処理施設の本格稼働開始」
-放射性セシウムを含む飛灰等の安全な処理を目指して-

2019年04月01日  リリース[環境関連技術]

株式会社鴻池組(本社 大阪市、代表取締役社長 蔦田守弘)を幹事会社とする鴻池・前田・西武・株木特定建設工事共同企業体は、2019年3月20日より、福島県双葉郡楢葉町に設置した特定廃棄物セメント固型化処理施設の本格的な稼働を開始しました。本施設での特定廃棄物の固型化処理は2023年9月まで行われ、この間に8.3万トンを処理する計画(2017年6月時点)です。

 

■特定廃棄物セメント固型化処理業務について

2011年に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故によって、福島県内では放射性物質に汚染された特定廃棄物(対策地域内廃棄物等、福島県内の指定廃棄物)が大量に発生し、福島の復興と再生のためにこれらの迅速な処理が最優先課題のひとつとなっています。このうち、放射能濃度10万Bq/kg以下の特定廃棄物および双葉郡8町村の住民帰還後の生活ごみは特定廃棄物埋立処分施設に埋立処分されますが、その中でも放射性セシウムの溶出量が多いと想定される焼却飛灰や溶融飛灰、ならびに焼却飛灰と主灰の混合灰等については、放射性物質汚染対処特措法に基づき、安全に埋立処分できるようセメント固型化処理を行うことが求められています。これは、処理対象物である飛灰等を水やセメントと練り混ぜて一定期間静置することで固型化物とする処理であり、埋立処分時の雨水等との接触による放射性物質溶出量を低減し、安全性を高めることができます。
当共同企業体は2017年6月にWTO・総合評価落札方式にて本業務を受託し、これまでにセメント固型化処理施設の設置を行い、2019年1月7日からの試験運転期間を経て、2019年3月20日より本格的な稼働を開始しました。本施設での特定廃棄物の固型化処理は2023年9月まで行われ、この間に8.3万トンを処理する計画(2017年6月時点)となっています。

 

■業務概要とセメント固型化処理のフロー

 

■セメント固型化処理施設内における安全対策

 

 ■施設周辺環境への安全対策

セメント固型化処理施設の設置にあたっては、建物基礎部への遮水シート敷設や粉じん・液体等の浸透を防止する床材の塗布による地下浸透防止対策、給排水設備の地上配管による漏洩等の監視、地下調整池による洪水対策などの周辺環境保全対策をとっています。また、施設の運営中は、施設周辺環境への影響を未然に防止するため、図-3に示す地点において、騒音・振動など基本的な項目の監視のほか、大気や地下水等の放射能等の濃度や空間線量率の測定などの環境モニタリングを定期的に行っています。

 

以 上