運搬中の生コン性状を確認できる『プローブシステム』を庁舎建築で上部躯体コンクリート工事全体に初適用

2018年09月28日  リリース[コンクリート]

株式会社鴻池組(本社 大阪市、代表取締役社長 蔦田守弘)は、生コンクリートのフレッシュ性状を確認・管理できる「プローブシステム」を茨城県で施工中の土浦労働総合庁舎(16)建築工事において、上部躯体コンクリート工事全体に初めて適用しました。これまで、生コンクリート運搬に用いるアジテータ車の一部には試験的に導入されていましたが、アジテータ車全車両に設置し品質管理を行ったのは今回が初めてです。プローブシステムの適用より、安定したフレッシュ性状を確保できることから、高品質な躯体の構築につながっています。


○プローブシステムの概要

プローブシステムは、ひずみ計および温度計が内蔵されたプローブをアジテータ車ドラム内に取り付け、ドラムの回転に伴い生コンクリート(以下、生コン)を通過する際のプローブへの圧力からスランプやコンクリート温度を測定するものです。
通常、生コンの品質管理は、工場から出荷された生コンを現場到着後に、仕様書等で定められた頻度で抜き取り検査を実施し、車両単位でスランプなどのフレッシュ性状を確認しています。
一方、当システムでは、生コン試料を採取することなくドラム内に積載した状態で、随時フレッシュ性状を確認することができ、全量管理が可能となります。待機中のスランプロスが把握できるため、打込み中の不具合を未然に防ぐことができます。


○適用工事における効果

適用工事の上部躯体工事全体に当システムを用いることにより、運搬時間や気象条件などに大きく左右されやすい生コンのフレッシュ性状を、出荷から荷卸し完了まで随時確認することができ、得られたデータを出荷工場へフィードバックすることで安定したフレッシュ性状を確保できることから、結果として高品質な躯体の構築につながっています。
また、当工事では、RI法(中性子線、γ線の透過量を測定)による連続単位水量測定も実施しており、プローブシステムの適用と併せることで高品質な躯体構築の一助になっています。


○今後の取り組み

鴻池組では、より高品質な躯体の構築に向けて、当システムを積極的に適用していく予定です。なお、現在、「プローブシステム」は、次世代型モデルへと改良を進めており、GPS車両管理システムと統合して、生コンの品質管理情報をリアルタイムに取得できるようになる予定です。次世代型プローブシステムは、2016年7月に経済産業省主催の「第2回先進的IoT Lab Selection」においてファイナリストに選出され、IPA(情報処理推進機構)による、先進的IoTプロジェクト支援事業に採択されています。
※本システムの適用性に関する実験検討は、プローブシステム共同実験研究会(幹事会社GNN Machinery Japanを含む生産会社6社および施工会社11社より構成)により実施しています。

 

<添付資料>

 以 上