技術研究所をZEB化改修
-お客様へのスマートなエネルギー運用の提案を目指して-

2017年02月20日  リリース[環境関連技術]

 株式会社鴻池組(本社 大阪市、代表取締役社長 蔦田守弘)は、つくば市の技術研究所で進めていたZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化改修工事を完了させ、2月から運用を開始しました。
 当社では、技術研究開発をより一層強化するために技術研究所施設の更新および拡充を進める中で、本館のZEB化改修プロジェクトに取り組みました。この改修工事は、「平成28年度ネット・ゼロ・エネルギー・ビル実証事業」に採択され、国の補助金を活用して実施しました。既存建物の改修という大きな制約条件のもとで、補助金の要件を満たすZEBの実現や、研究員が執務を続けながらの工事実施等により、無事竣工を迎えることができました。
 このZEB化改修により、基準ビルと比較して一次エネルギー消費量を51.7%削減でき、太陽光発電による創エネルギー分を加えると、削減率は59.7%となっています。また、補助金支給の条件であるBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)の認証を評価機関より取得しています。
 ZEB化に当たってのコンセプトは、エネルギーを『減らす』『上手に使う』『創る』で、以下の要素技術を採用しています。

○エネルギーを「減らす」
 建物を取り巻く光や熱など外的要因を制御して、エネルギー負荷を削減。

[採用技術]後付けLow-Eガラス、後付け二重窓による複層化、日射追従ルーバー、太陽光追尾自動ブラインド、内貼断熱、
        吹抜けを利用した最適自然換気

○エネルギーを「上手に使う」
 快適性を確保しつつ、徹底してエネルギーロスを減らし、効率良くエネルギーを運用。
[採用技術]高効率空調機器、タスク&アンビエント空調、輻射冷暖房、CO2連動全熱交換換気、大温度差変流量制御、
                  空調変風量制御、自動調光型LED照明、タスク&アンビエント照明、超高効率変圧器、
                  BEMSによる最適な統合制御と管理

○エネルギーを「創る」
 再生可能エネルギーを積極的に活用し、使用エネルギーの削減と補完を実施。

[採用技術]太陽光発電、太陽熱の空調熱源利用、クールトレンチ

 当社では、当建物を実証モデルとしてデータの蓄積を行うとともに、お客様がZEBを体験しながら見学いただける施設としても展開を図る予定です。今後も継続した研究開発により、さらにハイレベルで実用的なZEBの実現を目指してまいります。