技術研究所に音響実験棟を新設
-多様な音環境ニーズに応える-

2017年02月14日  リリース[その他]

 株式会社鴻池組(本社 大阪市、代表取締役社長 蔦田守弘)は、つくば市の技術研究所に音響実験棟を新設し、2月より運用を開始しました。
 新音響実験棟は、基礎実験や検証試験での使いやすさを考えシンプルでコンパクトな構成となっていますが、音響実験施設では標準的な「残響室」や「無響室」に加え、実際の居住空間を模した「箱型実験室」を配置することで、お客様からの音環境に対するご相談や新材料の性能検証など多様なニーズに応えられる実験棟となっています。

 各実験室の概要は以下の通りです。

○残響室
 コンクリートで壁・床・天井を反射性に仕上げ、かつ不整形に造られています。音があらゆる方向に伝搬することで、室内に音が均等に分布する状態を近似的に実現した実験室です。各種建築材料の吸音率測定で使用します。

○無響室
 外部から音や振動の進入が無いように設計され、さらに内部の壁・床・天井を高い吸音性に仕上げることで、反射音の影響を受けずに対象音源からの直接音だけを測定することが可能な実験室です。併設する残響室との間には試験体を設置する開口を備え、残響室との併用により遮音性能測定を行います。

○箱型実験室
 集合住宅を模した壁式鉄筋コンクリート構造2階建ての実験室です。ここでは集合住宅における音のトラブルとして多い上階からの音、いわゆる床衝撃音問題に関する実験研究を主に行います。

 これらの実験室を活用することで、音に係わる問題が発生した後の技術検討だけでなく、遮音設計に必要な音響データの蓄積、さらにはお客様のニーズに応えた新技術や新材料の開発に積極的に取り組んでまいります。