鴻池組 技術研究所のZEB化改修に着手
-平成28年度ZEB実証事業に採択される-

2016年08月19日  リリース[環境関連技術]

 株式会社鴻池組(本社 大阪市、代表取締役社長 蔦田守弘)は、茨城県つくば市の技術研究所のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化改修工事に着手しました。
 東日本大震災以降、建築物の省エネルギーへの関心が一層高まるのを受け、鴻池組ではZEBの実現に向けた研究開発に取り組んできました。今回の技術研究所のZEB化は、その成果を既存ビルの改修という方法で実現するものです。対象建物は1997年竣工の技術研究所本館で、建物を使いながらZEB化改修することで、今後予想される既存建物のZEB化改修の推進モデルケースにするとともに、採用した多くの最新要素技術を検証する体験型実証棟として生まれ変わる予定です。
 なお、当ZEB化改修工事は、「平成28年度ネット・ゼロ・エネルギー・ビル実証事業」として採択されたことから、ZEBの実現に寄与する高性能建材や設備システムに関わる工事費用の一部が補助されます。国の補助金を活用したZEB化事業という点からも検証することで、お客様への提案に活かしていきます。
 今回のZEB化改修により、一次エネルギー消費量は一般的な基準ビルに対して51.7%削減することができ、太陽光発電設備による創エネルギー分を加えると、削減率は59.7%となります。現在、詳細設計や技術的検証を引き続き行っており、2016年9月の着工、2017年2月からの運用を予定しています。鴻池組のZEBに対する先進の取り組みや省エネルギー技術を体感できる施設として、また、温室効果ガスの削減を推進したいお客様のニーズに応えるツールとして、ZEB化した技術研究所を活用する予定です。

 当ZEB化改修工事では、エネルギーを「減らす」、「上手に使う」、「創る」という3つのコンセプトのもと、以下の要素技術を採用しています。
●エネルギーを減らす
 建物の周りに存在する様々な外的要因によるエネルギー負荷を削減し、ハイパースリムな建物を目指す。
[採用技術]
 後付けLow-eガラス、後付け二重窓による複層化、日射追従ルーバー、太陽光追尾自動ブラインド、内貼断熱、吹抜けを利用した最適自然換気など。
エネルギーを上手に使う
 居住者の快適性を確保しながら徹底的にエネルギーロスを減らし、効率の良いエネルギー制御や運用を行なう。
[採用技術]
 高効率空調機器への更新、パーソナル吹出によるタスク&アンビエント空調、輻射冷暖房、CO2連動全熱交換換気、大温度差変流量制御、空調変風量制御、自動調光型LED照明、タスク&アンビエント照明、超高効率変圧器、BEMSによる最適な統合制御と管理など。
●エネルギーを創る
 自然界に存在する再生可能エネルギーを積極的に利用することで、使用エネルギーの削減と補完を行なう。
[採用技術]
 太陽光発電による電力系統連系、太陽熱の空調熱源利用、クールトレンチによる地熱回収など。
 

<建物概要>
名   称  鴻池組技術研究所 本館(1997年竣工)
用   途  研究所(改修対象棟は事務所用途)
所  在  地  茨城県つくば市桜1丁目
構   造  地上3階 鉄筋コンクリート造
面    積  建築面積1,206㎡、延床面積3,104㎡
設計施工  株式会社 鴻池組 東京本店
工    期  2016年9月~2017年1月