美観を損なわずに既存天井の落下を防止する画期的工法
帯状塗膜による天井補強工法「帯塗(タイト)くん」を開発

2014年12月11日  リリース[その他]

株式会社鴻池組(大阪市、社長 蔦田守弘)は、繊維入り強化塗料の帯状塗膜による天井補強工法「鴻池CSFP工法(愛称:帯塗(タイト)くん)」(特許出願中、商標出願中)を開発しました。既存のライン型システム天井の落下防止を目的とした工法で、鴻池ビルテクノ株式会社(東京都、社長 大林愼二)、株式会社桐井製作所(東京都、社長 桐井隆)、日本樹脂施工協同組合(東京都、理事長 野村透一)との共同開発です。
(※CSFP工法:Ceiling Support system by Fiber strengthening Paint method)
 

2011年の東日本大震災では、ホールや体育館等の特定天井が落下する被害が多数発生したことを受け、関連する施行令の改正等が行われました。一方、事務所ビル等に広く採用されているライン型のシステム天井の落下被害も多くみられ、安全性確保のための落下防止対策が求められていました。
当天井補強工法は、強化塗料を帯状に塗布することによって天井ボードとTバーや廻縁などの金物を一体化し、天井の動きを抑制することで天井ボードの落下を防止または低減するものです。
 

主な特長として以下が挙げられます。
・[短工期]補強工事は天井面への塗装作業が中心であり、天井内部での作業がないことから、部屋の利用がない休日や夜間の工事で対応できます。
・[美観性]透明な塗料による塗膜は目立たず、従来のネットや鋼材によるフェイルセーフ対策と異なり、現状の天井美観を損ないません。
・[低コスト]従来の天井内部からの補強や鋼材等を用いた対策に比べ、補強工事のコストも大幅に低減できます。
 

当工法による補強効果を検証するため、当社技術研究所(つくば市)において東日本大震災時に観測された仙台波などを用いた振動台加振実験を行いました。その結果、仙台波の約1.7倍(震度6強相当)の加振に対して、補強なしの試験体は多くの天井ボードが落下したものの、当工法によって補強した試験体は天井ボードのズレや落下はなく、優れた補強効果があることが確認されました。因みに、同加振時の天井面加速度は、補強なしが6.9G、補強ありが3.5Gでした。


当工法は、規模を問わず既存のライン型システム天井の補強に広く適用することが可能です。今後は一般天井に適用範囲を拡大すべく、引き続き関係各社と連携して共同開発を進める予定です。