高分子系改質剤・クリーンウォーター NETISに登録

2013年05月24日  リリース[環境関連技術]

株式会社鴻池組(本社 大阪市、社長 蔦田守弘)、日立建機日本株式会社(本社 埼玉県草加市、代表取締役 住岡浩二)、太洋マシナリー株式会社(本社 大阪市、代表取締役 渡邉敬文)、およびテクニカ合同株式会社(本社 神戸市、代表取締役 寺尾好太)の4社が共同開発した、土砂に混入した廃棄物を高精度に分別するための前処理用薬剤である「高分子系改質剤・クリーンウォーター」(特開第2012-176394号)が、4月8日付で国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録されました(NETIS登録番号:KT-130011-A)。
テクニカ合同は高分子系改質剤(商品名 クリーンウォーター)を製造し、ショーレジン株式会社(本社 大阪市、代表取締役 山本美次)が販売を行います。

◆生石灰による改質の課題
従来は生石灰を添加混合して1日間養生し、水和発熱反応による含水量低減により分別精度向上を図っていましたが、高アルカリ、発熱、養生、分別時の粉じん発生等の課題がありました。

◆高分子系改質剤・クリーンウォーターによる改質で期待できる効果 
生石灰による改質の課題を解決するために開発した高分子系改質剤・クリーンウォーターは、添加量が1m3当たり1~2kgと少量での改質が可能となり、以下の効果が期待できます。
① 工程の短縮
・改質効果が即発揮されるため、養生期間が不要となります。
・剥離性が向上し、ふるい機スクリーンへの付着量が減り、清掃時間が少なくなります。
② 品質の向上
・剥離性が向上し、分別精度が良くなります。
③ 施工性の向上
・分別物のpHは中性のままで発熱もなく、中和処理等の2次処理が不要となります。
・改質効果が即発揮されるため、養生スペースが不要となります。
④ 周辺環境への影響の向上
・剥離性が向上するため回収土砂量が増加し、リサイクル量も増加します。
・乾燥させなくても分別可能となり、分別時に発生する粉じんが低減されます。

◆多賀城市東日本大震災に係る災害廃棄物中間処理業務におけるリサイクル量実績
 災害廃棄物(含水比40%程度)約26,700tに対してクリーンウォーターの粉体タイプを使用して改質した結果、土砂性状の復興資材が重量比で25%程度(無添加に比べ5%向上)回収できました。また、津波堆積物(含水比30%程度)約60,200tに対してクリーンウォーターの液体タイプを使用して改質した結果、土砂が85%程度(無添加に比べ35%向上)回収できました。

cleanwater-1.jpg写真① クリーンウォーター外観と荷姿例

 

 

 写真② 多賀城市災害廃棄物等中間処理状況

 

◆おわりに
「高分子系改質剤・クリーンウォーター」がNETISに登録されたことで、災害廃棄物や津波堆積物の分別の他に、不法投棄廃棄物処理や最終処分場延命化、射撃場の環境保全対策などの公共工事の分別に採用されることが期待されます。今後は適用拡大に向け積極的に技術提案活動を行い、分別精度向上によるリサイクル量の増加、周辺環境への影響の低減に寄与したいと考えています。