岐阜市北部地区の産業廃棄物不法投棄対策工事完了
-混合廃棄物燃焼範囲の消火および
ダイオキシン類汚染のおそれのある廃棄物の除去-

2013年05月09日  リリース[環境関連技術]

株式会社鴻池組(本社 大阪市、代表取締役社長 蔦田守弘)は、このたび岐阜市北部において「特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法」に基づく産業廃棄物不法投棄対策工事を完了しました。
現場に埋め立てられた建設廃材や土砂など約125万m3のうち、混合廃棄物堆積層の燃焼に起因するダイオキシン類による汚染のおそれのある廃棄物を撤去するため、約37万m3の廃棄物の掘削を完了し、急峻な法面の崩落など災害の危険も除去されました。 

●産業廃棄物不法投棄対策工事の概要
岐阜市北部地区において産業廃棄物処理業者が建設廃材等の産業廃棄物約75万m3を埋設するなどの不適正処理を行った産業廃棄物不法投棄事案に係る特定支障除去等事業で、弊社は平成20年12月に総合評価方式で落札し、対策工事を実施することになりました。
本工事は、混合廃棄物堆積層内部の燃焼によるダイオキシン類を含む燃焼ガスの噴出・飛散や、雨水等の浸透によるダイオキシン類を含む浸出汚濁水の周辺への流出、および急峻な法面の崩落のおそれを除去するもので、燃焼部分の消火、ダイオキシン類による汚染のおそれのある廃棄物の撤去、および急峻な法面の安定勾配化を行いました。 

 

●燃焼範囲の消火
消火対策は熱源解析を行い、廃棄物堆積層内部の温度が70℃以上の燃焼範囲(消火対策の対象範囲)を特定したうえで、低温部から高温部に向かって、上部からボーリングで水を注水することにより温度の低下を図る方法で行いました。また、図-1に示すように、熱源下部から水蒸気を吹き込み、酸素を追い出すことで燃焼を沈静化させる補助消火を注水消火前に実施しました。

 

●埋立廃棄物の掘削・選別・処分・場内利用
燃焼範囲はダイオキシン類が拡散、蓄積しているおそれがあると想定されたため、地中温度が70℃以上の範囲を中心にダイオキシン類の汚染状況を調査することで、汚染範囲を特定し、それを除去するべく混合廃棄物を安定勾配で掘削することとし、約37万m3を掘削しました。
掘削した混合廃棄物は現場の仮設テント内に設置した選別プラントで選別し、図-2に示すように廃プラスチック、紙くず、木くずなどの可燃物は場外の中間処理施設等に処分、金属類はリサイクル、土砂やコンクリートがら等の不燃物はダイオキシン類で汚染されていないことを確認したうえで、現場内で整形材として再利用しました。