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スリーブ検査業務支援システム「スリーブリング」の公開実験を実施

~AIとARによる業務効率化、検査精度向上の取り組み~

2025年09月02日 リリース

株式会社鴻池組(本社 大阪市中央区 代表取締役社長 渡津弘己)は、2025829日(金)に技術研究所つくばテクノセンター(茨城県つくば市)にて、日本コンピュータシステム(NCS)株式会社(本社 東京都港区 代表取締役社長 川部弘明)と開発したスリーブ検査業務支援システム「スリーブリング」の公開実験を実施しました。このシステムは、建設現場における煩雑な「スリーブ検査」の業務を、AIARの活用で大幅に効率化する画期的なものです。

スリーブ検査業務支援システム開発の背景

従来、スリーブ検査は職員や協力会社作業員が手作業で寸法や設置位置、設置状況を測定し、設計図面と照合していたため、膨大な時間と労力を要していました。スリーブの施工不良は後の修正が困難で、構造体の強度にも影響するため、事前の入念な検査が重要です。しかし数百カ所に及ぶスリーブの径や取り付け位置において検査を行う必要があり、限られた時間内で効率の良い検査が求められていました。

加えて、スリーブ検査は職員の業務負荷が高く、検査時間の確保が問題になります。遠隔でも検査状況が把握できるよう、ICT化を求める声が上がっていました。

「スリーブリング」の特徴

本技術はAIARを活用し、検査時間の大幅な短縮と検査精度の向上を実現する検査システムです。スリーブにARマーカーを貼りつけ、専用アプリをインストールしたタブレットで設置状況を撮影するだけで、AIが画像からスリーブを認識します。さらにARにより、スリーブの寸法や位置を自動計測し、結果をその場で設備用BIMデータと照合することで、瞬時に正誤を判断できます。また、検査結果はWebアプリを通じてリアルタイムに共有されるため、遠隔地からでも確認できるほか、帳票出力することも可能です。

その他、以下の特徴を備えます。

・現場で必要なものは、専用アプリをインストールしたiPad(LiDAR付き)、ARマーカーのみ。運用時の用意・設置が容易。
・ARマーカーは一般向けのラベルシールとプリンターで印刷が可能なため、専用の資機材は不要。
・スリーブの設置位置と距離はAR上で計測するため、従来の技術と異なり基準となる尺の設置は不要。
・基準からの設置位置・高さをシステムで計測可能(基準の高さはどこにおいてもよい)。
・AR空間上に設備用BIMデータを重ね合わせられるため、視覚的にスリーブの設置状況の照合が可能。

公開実験の内容と成果

メディア関係者を招待し、公開実験を行いました。当日は鴻池組ICT推進部門担当者とNCS開発担当者によるシステム説明とデモンストレーションが行われました。実験の結果、検査時間を大幅に短縮し、AR上で設備用BIMデータを重ね合わせることで、設計との整合性を瞬時に確認することができました。

今後の展望

鴻池組は、「スリーブリング」の本格導入に向けて、更なる機能の拡充と実証実験を進めていきます。建設現場の生産性向上に貢献する、画期的なシステムの実現を目指します。

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