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2025年06月05日 リリース
株式会社鴻池組（本社：大阪市中央区、社長：渡津弘己）は、令和6年能登半島地震および9月の奥能登豪雨により甚大な被害を受けた珠洲市道726号線（全長15km）において、災害協定に基づく道路啓開作業を2025年4月から開始しました。40箇所以上に及ぶ被災箇所に対し、通常の建設機械では対応困難な現場でも作業可能な特殊建設機械「スパイダー」を活用。障害物のある箇所でも安定した作業ができる高い機動性を生かし、2025年6月末までの啓開完了を目指します。特殊建設機械による作業現場には多くの見学者が訪れており、その技術力に注目が集まっています。被災地の生活道路として重要な役割を担う本路線の早期復旧により、地域の復興支援に貢献してまいります。
背景と経緯
珠洲市道726号線は、令和6年能登半島地震により大きな被害を受け、さらに9月の豪雨災害によって被害が拡大しました。3月の現地調査では、大規模および小規模土砂崩壊、路面陥没、地割れ、橋台背面法肩崩壊、擁壁崩壊、倒木など40箇所以上の被災を確認。被災地の生活再建に不可欠な道路の早期復旧が求められる中、当社は災害協定に基づき、道路啓開作業に取り組むことになりました。
特殊建設機械「スパイダー」の活用
今回の道路啓開作業では、スイス製の特殊建設機械「スパイダー」を投入しています。この4輪多関節型作業機械は、傾斜地でも安定した作業が可能で、水深2mまでの水没箇所も走行できる特性を持ち、通常の建設機械では到達できない被災箇所での作業を実現。4輪独立操舵システムにより狭隘箇所での作業も可能で、また通常の建設機械に比べアタッチメントの交換が極めて迅速に行えるため、複数の建設機械を入れ替える必要がなく、災害復旧に大きな威力を発揮します。現在、国土交通省国土技術政策総合研究所所有の1台を導入し、崩壊土砂の撤去、法面保護、流木除去、路面補修などの啓開作業を進めています。
今後の展望
「スパイダーの高い機動性と作業効率により、従来なら困難だった被災箇所でも迅速な復旧が可能になりました。今後も最新技術を積極的に活用し、社会機能の迅速な復旧に努めてまいります」と現場責任者は語ります。当社は引き続き被災地の早期復興に向け、技術力を結集した支援を続けてまいります。
 工事位置図（地理院地図に加筆） |
 現場状況 |
 スパイダー（作業状況） |