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覆工再生工に適用する「3次元制御式自動覆工切削機」の開発

- 切削試験を公開で実施 -

2025年02月21日 リリース

株式会社鴻池組(大阪市、社長 渡津弘己)は、山岳トンネルの大規模更新を対象とした「Re(リ)ライニング工法」に使用するコンクリート切削機を開発しました。

Reライニング工法」は、老朽化した覆工コンクリートの表面を削り取り、そこに新たにコンクリートを構築する一連の工法です。通行止めを伴うトンネル更新工事は、社会的・経済的に大きな損失をもたらしますが、本工法では交通を止めることなく、また内空断面積を縮小することなく、トンネルをリニューアルできます。 
本工法の主要技術の一つである覆工コンクリート表面を切削する機械「3次元制御式自動覆工切削機」を開発し、切削試験を行いました。

試験では、一般社団法人日本建設機械施工協会 施工技術総合研究所(静岡県富士市)の模擬トンネル内に高速道路の既設トンネル内空断面を模した覆工コンクリートを構築しました。供用中の道路トンネルでの施工を想定して、その内部に切削機と交通を確保するための防護工を設置し、覆工コンクリート表面を切削しました。学識者、発注者、設計者等に工法と試験概要を説明した後、模擬トンネル内での切削試験を行いました。

今回開発した切削機は、回転式の切削ドラム(左右各1台)、切削ドラムをトンネル周方向に移動させるためのガイドレール、およびガイドレールをトンネル軸方向に移動させるための走行装置とで構成されます。事前に入力したトンネル切削仕上がり面の3次元位置データをもとに、自動で切削ドラムを切削開始位置にセットし、既設の覆工コンクリートから反力をとり機械を固定します。その後、自動で左右の切削ドラムがトンネルの周方向にそれぞれ移動しながら半周分ずつを切削します。
公開試験は、5日間にわたって行われ、約150名の招待者が試験を見学しました。見学後には活発な意見交換が行われました。

今回の試験で、高速道路を対象とした覆工再生工の施工方法を確立し、活線下での実施工に向けた準備が整いました。

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