2025年02月21日 リリース
株式会社鴻池組(本社 大阪市中央区 代表取締役社長:渡津弘己)は、CCU(Carbon dioxide Capture and Utilization:CO2回収・利用)材料『Kcal』を混合したCO2吸収コンクリート『Kcrete N』を、2025年日本国際博覧会施設整備事業小催事場建設工事(大阪市此花区夢洲)に試行適用しました。
当社は、カーボンリサイクルによるSDGs達成に向けた取り組みとして、副生成物中のカルシウム源と排ガス由来のCO2を原料として建設材料用途に粒子制御された軽質炭酸カルシウムであるCCU材料『Kcal』の開発と、これを混合したCO2吸収コンクリート『Kcrete N』の開発に取り組んでいます。『Kcal』の原料にカーバイドスラリーを用いる製造プロセスは、当社、高圧ガス工業、白石工業、吉澤石灰工業の4社で、2023年に共同開発しました。『Kcrete N』は、CCU材料『Kcal』を混合して、CO2を間接的に吸収させたコンクリートです。『Kcal』を1t製造したときのCO2吸収量は約440kgです。コンクリート1m3製造したときのCO2排出量は、従来のコンクリートはプラス344kgでしたが、『Kcrete N』は、110%減らしてマイナス36kg、つまりカーボンマイナスにできます。
今般、ケイコン株式会社と共同開発した『Kcrete N』を用いたプレキャストコンクリート製品を、当社が施工する2025年日本国際博覧会施設整備事業小催事場建設工事において試行適用しました。
今回試行適用したプレキャストコンクリート製品は、境界ブロック、コンクリート平板で、これらの製品のコンクリート量は4m3です。使用したKcal量は1tで、排ガス由来のCO2が約440㎏吸収されています。
鴻池組は、長期ビジョン「KONOIKE ONE VISION 2050」に掲げるカーボンニュートラル実現に向けた取り組みの一環として、CO2吸収コンクリート『Kcrete N』を用いたプレキャストコンクリート製品の試行適用をさらに進め、建設分野におけるカーボンリサイクルのサプライチェーン構築を目指してまいります。
関連情報は以下のリンクをご確認ください。
・アセチレンガス製造時の副生成物『カーバイドスラリー』と排ガス由来のCO2を原料にしたCCU材料の製造技術を共同開発
・環境配慮型コンクリート『Kcrete(ケイクリート)』を用いたプレキャストコンクリート製品の製造技術を共同開発
・環境配慮型コンクリート「Kcrete」の開発,鴻池組技術研究報告,2024年度
・長期ビジョン「KONOIKE ONE VISION 2050」
工事名称 :2025年日本国際博覧会施設整備事業小催事場建設工事
発注者 :公益社団法人2025年日本国際博覧会協会
基本設計 :安井・平田設計共同企業体
設計・監理者 :鴻池・安井・平田晃久グループ
施工者 :株式会社鴻池組
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