2024年10月09日 リリース
このたび、仙台駅西口地区大規模雨水処理施設整備事業の一環として計画された広瀬川第3雨水幹線工事1において、下流工区のシールドマシンが到達しました。本工事は、発注が宮城県仙台市、施工は鴻池組・西武建設・あおみ建設・鎌田建設共同企業体により行われました。
仙台駅西口地区では、降雨による道路冠水や地下施設への雨水流入などの浸水被害が発生しています。令和元年の台風19号の大雨では道路冠水が173件発生し、仙台駅前の大通りが通行止めになるなど、市民生活に重大な影響が出ました。仙台市では、計画降雨(52㎜/h)に対して浸水被害を解消し、既往最大降雨(72㎜/h、平成2年)に対して道路冠水(浸水深20㎝以上)と床上浸水(浸水深45㎝)の発生を抑える水準の施設規模として、仙台駅西口地区大規模雨水処理施設整備事業を進めています。
この事業の一環として計画された広瀬川第3雨水幹線工事1の下流工区(φ2,600㎜)は、上流工区他3つの雨水管から発進立坑で合流する雨水を広瀬川に吐出する路線として、既設の共同溝や地下鉄との離隔をとる制限がある中で自然流下を実現する必要があり、複雑な線形(延長828m、曲線半径100m以下7箇所、縦断曲線2箇所、急勾配区間有)となりました。また、地下鉄の連絡通路箇所には施工時の仮設H鋼が残置されていることが判明しており、シールドマシンで直接切削して通過する計画となっていました。
本工事は、上流工区に引き続き五橋公園を発進基地として使用し、東二番丁通の共同溝を下越しし、愛宕上杉通の地下鉄を上越しして施工しました。周辺環境に影響を及ぼさないよう、沈下量、騒音・振動の測定を行いながら慎重に掘進を進めました。残置されている仮設H鋼は、直接切削可能な装備を搭載したシールドマシンにより、大きな振動を発生させることなく通過することできました。そして、9月25日に広瀬川左岸に隣接する土樋緑地の到達立坑へ到達しました。
本工事はこれからシールド機の解体、人孔の構築を行います。工事期間も少なくなりましたが、最後まで無事故・無災害が継続できるよう、工事を進めていきます。
工事名称:広瀬川第3雨水幹線工事1
工事場所:仙台市青葉区花京院一丁目241地先~土樋一丁目198―1地先
発注者名:宮城県仙台市
施 工:鴻池組・西武建設・あおみ建設・鎌田建設共同企業体
工事概要:管路施設工 路線延長 2,453.94m
・立坑工(φ10.5m×H13.9m、φ8.4m×H11.1m、φ3.1m×6.7m、φ3.5m×5.8m)
・φ1,800㎜ミニシールド工 1,612.93m
・φ2,600㎜泥土圧式シールド工 829.73m
・φ1,500㎜FRPM管開削工 1.60m
・φ900㎜刃口推進工 9.68m
・特殊人孔設置工 3箇所
・仮設工 1式
・付帯工 1式