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2024年度日本建築学会技術部門設計競技にて優秀賞

2024年09月10日 リリース

株式会社鴻池組(本社 大阪市中央区 代表取締役社長 渡津弘己)の若手社員グループが、このたび開催された日本建築学会技術部門設計競技審査にて、優秀賞を受賞いたしました。

日本建築学会企画運営委員会防火委員会が主催する当競技は、個々の建築物の防耐火設計に配慮した木造化技術の推進にとどまらず、都市(まち)としても安全かつ魅力的な、革新的な火災安全技術を含む建築や都市のコンセプトを募集したものです。表彰式は8月29日(木)に明治大学にて開催され、表彰状を授与されました。

受賞作品について

■2024年度技術部門設計競技 課題テーマ

「木材を活用した建築物・都市における革新的な火災安全技術とデザイン」

■作品タイトル

Ameba Cs=W×D×Cf×44/12 *

*CsW×D×Cf×44/12(建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量を二酸化炭素に換算した式)

■提案メンバー

株式会社鴻池組 設計本部

 建築設計第1部:小西京介 吉岡七海 金子楓

 建築設計第2部:田中敦也 永田拓未

 設計管理部:岡本恵利奈(パース作成)

設計案のポイント

今回の課題に対して、私たちは繁殖する都市モデル「モク×Ameba」を提案しました。
近年注目されている「炭素固定・森林循環」に対し、「モク×Ameba」を繁殖させることによって、二酸化炭素を吸収していきます。

課題となる火災への対応として、2重ガラスの中間層に水を循環させた『ハイドロウォールシステム』を提案しました。
通常時は、ハイドロウォールに囲まれた非日常な空間(ハイドロロード)を演出します。
災害時には、ガラス内を通過する循環水が噴出し水幕となることで、消火設備として火炎・煙の拡大を抑制し、建物内外の延焼を防止します。

この木質都市モデル「モク×ameba」は、コアを元に自由な形状でフレキブルに変化し、繁殖していきます。
まちから国、そして世界へと浸食し、二酸化炭素を食べつくしながら自然豊かな都市へ成長していきます。 

受賞メンバーのコメント

■検討プロセスについて

大阪・東京の設計部で働く同期メンバーでコンペに臨みました。対面でやりとりできない難しさはありましたが、ITツールを活用して意見を出し合い、意匠・構造・設備それぞれの理解を深めていきました。課題テーマの趣旨に沿いつつ、オリジナリティある提案をまとめることができました。受賞したことは驚きであるとともに大変うれしく、本設計競技に取り組むことができて良かったと感じています。

■受賞の一報を受けて

・受賞したことは驚きであるとともに大変うれしく、本設計競技に取り組むことができて良かったと感じています。
・優秀賞には非常に驚きました。とてもうれしく思います。
・提案の方向性がまとまらなかったり、提案検討と通常業務を両立する時間の確保が難しかったりと、つらい場面もありました。しかし、受賞という形で評価を受け、頑張って良かったと思います。

■今後の意気込みや目標

今回の作品はあくまでもアイデアの提案ですが、人命の安全と災害後の機能を確保・維持するため、どのようなプロセスで対策を考えていくべきであるかを理解できました。
今後は実務においても、設計段階で常に意匠・構造・設備で意見を共有し、お互いに理解しあいしながら取り組むことで、お客様にご満足いただける提案ができる設計者へと成長することを目指していきます。

審査員講評

日本建築学会誌2024年10月号に掲載予定です。

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