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2025年 大阪・関西万博工事現場において

四足歩行ロボット活用に向けた実証実験を開始

2024年02月15日 リリース

2024年116日、株式会社鴻池組(本社 大阪市中央区 代表取締役社長 渡津弘己)は、2025年日本国際博覧会施設整備事業小催事場工事(大阪市此花区夢洲)において、四足歩行ロボット活用に向けた実証実験を開始しました。

当日はロボットを現場内で走行させ、遠隔操作や遠隔操作に必要な通信環境等の確認を行いました。ロボットは今後、工事現場の巡察を主な目的に他現場でも利用していく予定です。

本取り組みは、社内技術開発課題「デジタルトランスフォーメーション(DX)に関する調査研究」の一環として実践したもので、開発メンバーへのアンケートを行い、今回のロボットを「KOCoRo/心」と命名しました。

建設業界の労働人口は減少傾向であり、労働者1人あたりの業務負担は増加することが予想されます。建設現場においても、業務の方法を大きく転換し、生産性を向上させる取り組みが必要です。その取り組みの1つとして、ロボットに業務を代行させることが考えられ、これは建設現場の最も幅広い職種の業務を効率化する可能性があります。今回私たちは現場職員の負担軽減のため、4足歩行ロボットによる工事現場の巡察を行いました。

本ロボットのベースであるUnitree社製の四足歩行ロボット「Unitree B1」は、高い運動性能と耐環境性能を有しています。不整地や20cmまでの段差・階段も走行でき、建設現場に存在する多くの走行上の障害を乗り越えられます。また、IP68防水を有し、動作温度は-5~45℃であり、1年を通して運用が期待できます。制御ソフトを開発可能なロボットであり、「KOCoRo/心」はiPadを介してUnitree B1を制御しています。

KOCoRo/心」は事務所から遠隔操作できるだけでなく、特定のルートを自動走行する機能も備えています。iPad Proにインストールされたロボット制御機能を有するアプリ「iVoRi XR(アイヴォリィ・エックスアール)」とAndroid端末にインストールされた360度映像のリアルタイム配信機能を有するアプリ「Nossa360(ノッサ・サンロクマル)」により、iPad ProLiDAR(ライダー)スキャナを活かした適切な距離感を保持した遠隔操作、遠隔での映像・音声の共有、複数人への360度動画の高速リアルタイム配信も行うことができます。

ロボットの遠隔操作に必要な安定した通信環境構築のため、現場にはメッシュWi-Fiを構成するためのAP(アクセスポイント)を配置しております。APには防水性を有するPCWL-0510を採用し、Wi-Fi環境を現場全体に拡張しております。メッシュWi-Fiとしたため、現場の進行に伴い電波が届かない場所ができた場合にはAPの位置・個数を変えることで対応します。

今後は更なる改善を図り、労働者の負担軽減、工事現場の安全確保に向け積極的に活用してまいります。

実証実験におけるシステム構成

ロボット名       :KOCoRo/心

4足歩行ロボ制御ソフト:iVoRi XR ロボット連携オプション(株式会社ポケット・クエリーズ)

360度映像配信アプリ :Nossa360(株式会社Nossa

現場Wi-Fi 環境    PCWL-0510PicoCELA 株式会社)

以上

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