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創業の地に建つ鴻池組旧本店が登録有形文化財(建造物)へ

2021年11月19日 リリース

株式会社鴻池組(本社 大阪市、代表取締役社長 渡津弘己)が創業地である大阪市此花区伝法に所有する1910(明治43)年竣工の鴻池組旧本店について、令和3年11月19日(金)に開催された国の文化審議会は、登録有形文化財に新規登録するよう文部科学大臣に答申しました。

鴻池組旧本店洋館・和館について

1910(明治43)年、大阪府西成郡伝法町北(現:大阪市此花区伝法)に洋館と和館が連接する形で造られたいわゆる和洋館併置型の建物で、両館は扉一枚を隔て行き来することができます。
鴻池組の創業者である鴻池忠治郎が企業の近代化策の一環として計画し、それまで事務を行っていた鴻池家の居宅が業容の拡大によって手狭となり、事務所の建設と居宅の建替えを行ったものが鴻池組旧本店洋館・和館です。なお、洋館は1968(昭和43)年まで本店として使用されました。

洋館の特徴 -セセッション様式の外装とアール・ヌーヴォーで飾られた応接室-

建築面積90㎡、間口9.7m、奥行き7.3mの2階建てで、屋根はスレート葺。モルタル塗りの外壁にはタイルでボーダーラインを巡らせ、大正期に流行したセセッション様式の特徴を有します。2階応接室の暖炉や調度品の装飾はアール・ヌーヴォー様式でまとめられ、玄関ホールには孔雀と薔薇をモチーフとしたステンドグラスが組み込まれています。

和館の特徴 -大阪の伝統的な町家と多くの欄間彫刻-

表構えは大阪の伝統的な町家の構えで、1階は出格子・大戸、2階は軒下を漆喰で塗り込めて格子窓を開き、両端には袖卯建が立つなど、当時の風情がうかがえます。また、完成当時、伝法川に面していた南側は数寄屋の意匠が採り入れられ、室内の欄間や階段親柱などに数多くの彫刻が施されているなど繊細な意匠が特徴的です。

今後について

鴻池組旧本店はこれまで、社員教育や文化教育・研究目的の見学を受け入れてきました。このたびの答申を受け、歴史的建築物の保存・活用に関する研究開発をさらに進めるとともに、地域の資産として活用いただけるよう建物の維持・保存と情報の発信に一層努めてまいります。

建物情報

●鴻池組旧本店洋館

建築年 1910(明治43)年、1914(大正3)年に内外装改修
所在地 大阪府大阪市此花区伝法4丁目3−55
構 造 木造2階建て、寄棟造
建築面積 90㎡


●鴻池組旧本店和館

建築年 1910(明治43)年建造、昭和前期増改築
所在地 大阪府大阪市此花区伝法4丁目3−55
構 造 木造2階建て、切妻造
建築面積 154㎡

以 上

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