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栃木県佐野市「災害復旧堆積土砂排除工事」に係る中間処理完了

-堆積土砂リサイクル率95.2%を達成-

2021年04月12日 リリース

株式会社鴻池組(本社 大阪市、代表取締役社長 渡津弘己)は、このたび、令和元年東日本台風に伴い栃木県佐野市内で発生した堆積土砂の中間処理を完了しました。
佐野市内で発生した災害廃棄物のうち、当社受注分の堆積土砂の中間処理を2020(令和2)年8月上旬より開始し、2021(令和3)年1月上旬までの約5ヶ月間で完了させました。リサイクル率は95.2%となり、高リサイクル率を実現することができました。

佐野市災害復旧堆積土砂排除工事について

令和元年東日本台風の影響により、栃木県では1011日から13日朝にかけて記録的な大雨となり、佐野市においても110時から139時までの総降水量が佐野観測所で267mm、葛生観測所で416.5mmを記録しました。この豪雨により同市内を流れる秋山川を始めとする複数の河川で多発的な氾濫、越水および堤防の決壊が発生し、道路、市街地内に大量の土砂や流木が流れ込みました。これらのうち、宅地内に堆積した土砂は住民やボランティア、自衛隊、市の委託業者により仮置場や分別場に仮置きされていましたが、市所有の田沼グリーンスポーツセンター多目的競技場を分別場として利用していたことから、多くの市民に不便をかけている状態が続いており、同競技場の早期返還・利用再開が求められていました。

工事概要

本工事は、①分別場の整備、②仮置場から分別場への堆積土砂の運搬、③分別場における堆積土砂の中間処理および処理後物の保管、④処理後物の搬出、⑤仮置場および分別場の現状復旧などを行うものです。
宅地内から排除された堆積土砂は仮置場もしくは分別場に仮置きされており、当社は堆積土砂の仮置場から分別場への運搬と、分別場の整備および堆積土砂の中間処理を行いました。堆積土砂はまず、粗選別によって流木や粗大物を除去したのち、生石灰を添加・混合することにより含水率を低下させるとともに、リサイクル先の受け入れ条件に適合する強度を確保しました。その後、振動スクリーンによる粒径ごとの選別と、手選別ベルトコンベア上で手作業によって品目ごとに選別しました。一部の堆積土砂は土のう袋に入れられた状態で仮置きされていたため、重機および人力により開封し、土のう袋と土砂に分別しました。尚、堆積土砂から廃棄物を除去した選別土は埋立材としてリサイクルしました。



これらの取り組みによって、2020(令和2)年8月上旬の処理開始から2021(令和3)年1月上旬の完了までの約5ヶ月間で約3.5万トンを処理しました。中間処理後物のリサイクル率は95.2%となり、高リサイクル率を実現することができました。尚、中間処理後物の品目別重量および重量比率は表―1に示す通りです。

災害廃棄物処理事業への積極的な参画

当社は、長年培ってきた環境浄化技術を活かして被災地域の早期復興・復旧に貢献すべく、積極的に災害廃棄物処理事業に参画しております。同じく令和元年東日本台風において甚大な被害を受けた宮城県伊具郡丸森町においても、災害廃棄物の中間処理を実施し、2021(令和3)年1月に完了させました。当社はこれまで平成23年東日本大震災、平成26年広島市土砂災害、平成28年熊本地震、平成30年西日本豪雨、そして今回の令和元年東日本台風と災害廃棄物処理事業に携わっており、現在は、福岡県大牟田市において令和27月豪雨により被災した家屋等の解体撤去に伴う災害廃棄物の処理を実施しています。今後も頻発することが予想される台風・豪雨災害や南海トラフ巨大地震および首都直下地震に対して、関連企業・団体との連携を深め、技術開発と保有技術の練磨を進めることで、安心安全な社会づくりに貢献してまいります。

以 上

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