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「坂町に係る平成30年7月豪雨災害廃棄物処理業務」中間処理完了

-災害廃棄物約3.2万トンを処理-

2020年04月08日 リリース

株式会社鴻池組(大阪市、代表取締役社長 蔦田守弘)は、このたび平成30年7月豪雨に伴い広島県安芸郡坂町内で発生した災害廃棄物の中間処理を完了しました。
災害廃棄物総量約12.9万トンのうち、当社受託分の災害廃棄物(特に処理困難な坂町の公費解体による解体廃棄物)の中間処理を平成30年12月より開始し、令和元年12月上旬の完了までの約12ヶ月間で約3.2万トンを処理しました。

坂町に係る平成30年7月豪雨災害廃棄物処理業務について

平成30年7月6日からの記録的豪雨により、坂町では河川の氾濫や斜面崩壊等が発生し、甚大な被害を受けました。これにより坂町内では、約27.0万トン(廃棄物混入土砂:約21.2万トン、廃家財等・建物解体廃棄物:約5.8万トン)もの膨大な量の災害廃棄物が発生すると推計され、坂町の人口一人当たりの発生推計量は約20.7トンとなり、これは広島県内の被災市町の中で最大でした(他市町平均:約0.6トン)。これらの膨大な災害廃棄物が今後の復旧・復興に向けた取組みの支障となっていました。
当社は平成30年11月に公募型プロポーザル方式にて本業務を落札し、二次仮置場にて災害廃棄物の中間処理を実施しました。

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図-1 二次仮置場位置図


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写真-1 二次仮置場全景

業務概要と中間処理のフロー

本業務は、①二次仮置場の整備、②二次仮置場の運営管理、③二次仮置場において分別・破砕等の中間処理および保管、④処理後物の搬出などを行うものです。
二次仮置場となっていた北新地運動公園では、被災家屋の解体に伴い発生する廃家財等・建物解体廃棄物や、坂地区で発生した廃棄物混入土砂が集積されていました。当社は二次仮置場の整備と並行して、これら災害廃棄物の分別・破砕等の中間処理を行いました。
二次仮置場へ搬入された災害廃棄物については図―2に示す全体中間処理フローにより、「リサイクルされるもの」と「処分されるもの」に分別しました。令和元年12月上旬までに約3.2万トンの災害廃棄物の中間処理を完了させました。

図-2 災害廃棄物全体中間処理フロー.jpg

図-2 災害廃棄物全体中間処理フロー

迅速・安全かつ効率的な中間処理

可燃物の破砕にあたっては、通常使用する自走式破砕機ではなく、より調達が容易なバックホウアタッチメント型の可燃物破砕用カッターを用いることにより、迅速な処理開始が可能となりました。また、廃棄物混入土砂はトロンメルバケットにより一次選別しましたが、無発熱・低粉塵の改質材(高含水物対応)を用いることで、より効率的な分別処理を行うことができました。
一次選別後物は、手選別ベルトコンベアにより混入物を品目ごとに回収しました。通常は、廃棄物混入土砂をヤードに撒きだし、作業員が混入物を拾い上げることにより手選別を行いますが、手選別ベルトコンベアを使用することにより、作業員が屈みながら手選別作業をすることがなくなり、安全かつ効率的に混入物を回収することができました。


災害廃棄物処理業務への積極的な参画

当社は、同じく平成30年7月豪雨において甚大な被害を受けた広島県東広島市においても、災害廃棄物の中間処理を実施し、令和元年7月末に完了させました。当社がこれまで携わってきた2011年東日本大震災、2014年広島市土砂災害、2016年熊本地震での災害廃棄物処理業務などを通し蓄積されてきたノウハウを活かすことで、今回の平成30年7月豪雨に係る災害廃棄物処理を無事に完了させることができました。
今後も頻発することが予想される台風・豪雨災害や南海トラフ巨大地震および首都直下地震に対して、関連企業・団体との連携を深め技術開発と練磨を進めることで、安心安全な社会づくりに貢献してまいります。

以 上

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