ASRリチウム工法協会第3回定期総会を開催
2008年06月05日 リリース[コンクリート]
株式会社 鴻池組
「ASRリチウム工法協会」(http://www.asrli.jp/、2005/7/29発足)が、発足後第3回目の定期総会を3日、協会員である極東興和(株)の大阪支店で行った。同協会はアルカリ骨材反応(ASR)により劣化したコンクリート構造物の補修工法であるASRリチウム工法の普及拡大に向け、ゼネコン、専門工事会社、メーカーらで組織する。
総会では、平成19年度事業報告、役員改選、平成20年度事業計画、予算案などの議案を審議し、いずれも満場一致で承認された。会長は、これまで通り、(株)鴻池組の齊藤久克常務取締役が務め、副会長には、本年度から新たに極東興和(株)の土屋英治技術本部副本部長が務めることになった。事業報告では、ASRリチウム工法協会主催により昨年7月に名古屋市で開催された「コンクリート構造物の劣化に関するフォーラム」に210名、中国地方で計6回開催したミニフォーラム(広島市、三原市、岡山市、山口市、松江市、鳥取市)に計170名の参加者があり、これらの地区でのASR対策への関心が非常に高いこと等が報告された。また、沖縄から北海道までの全国各地から問い合わせがあること、協会のホームページのアクセス数(2006/4/26~)が9万件を超え、年内中にも10万件に達する見込みであることなどが報告された。
齊藤会長=写真=は、「広報委員会、技術積算委員会およびWGの皆様には、昨年度大変精力的に活動頂きました。現在、高度経済成長期建設された多数の構造物が経年劣化に伴い予防保全を必要とする段階にあり、社会的にコンクリート構造物の維持管理の重要性が益々高まっていることから、ASRに対する延命化技術としてさらなる本工法の普及に努めていきたい」と抱負を述べた。
同協会は、本年度の主な活動として、各発注機関やコンサルタント会社への技術プレゼンや各種展示会等での展示を予定している。さらに、本年度国土交通省からASRに関するガイドラインの発表が予定されていることから、タイミングを合わせて昨年度同様の「コンクリート構造物の劣化に関するフォーラム」の開催を東京等で計画している。また、広島県で現在施工中の同工法の現場説明会も予定している。
なお、本工法は、ASRのみでなく塩害対策としても有効であることから、NETIS登録内容の更新を行うとともに、塩害対策やASR・塩害の複合劣化対策技術としても本工法を普及させていく見込みである。
ASRリチウム工法は、コンクリート構造物の表面から削孔した圧入孔を通じて、亜硝酸リチウムを主成分としたASR抑制剤を構造物内部に加圧注入しコンクリート全体に抑制剤を浸透拡散させるものである。この工法は、これまで対策方法のなかったコンクリート内部のASRによる劣化をも抑制することができ、構造物の長寿命化が実現できる。
(写真)会長挨拶 |