
廃棄物焼却施設の耐用年数は一般的に約20~30年と言われており、
全国にある焼却施設の半数以上が老朽化による建て替えなどの課題を抱えています。
しかし、焼却施設はダイオキシン類に汚染されていたり、
壁や断熱材にアスベストが使われていることが多いなど、
施設の解体には様々な問題がともないます。
鴻池組は2000年より全国で47件もの廃棄物焼却施設の解体工事を請け負いました。
発注元は自治体、企業、病院や研究所と幅広く、様々な施設規模の実績があります。
- 一般財団法人クリーンいわて事業団(岩手県)
- 横手市(秋田県)
- 最上広域市町村圏事務組合(山形県)
- 栃木地区広域行政組合 (栃木県)
- 真岡市(栃木県)
- 荒川南部環境衛生一部事務組合(埼玉県)
- 坂戸市(埼玉県)
- 川口市/旧鳩ヶ谷市(埼玉県)
- 千葉県内産廃焼却施設
- 成田市(千葉県)
- 東京都二十三区清掃一部事務組合(東京都)
- 神奈川県内病院
- 神奈川県内産廃焼却施設
- 茅ヶ崎市(神奈川県)
- 平塚市(神奈川県)
- 小矢部市(富山県)
- 市川三珠環境衛生組合(山梨県)
- 大月都留広域事務組合(山梨県)
- 南濃衛生施設利用事務組合(岐阜県)
- 可茂衛生施設利用組合(岐阜県)
- 静岡県
- 滋賀県内産廃焼却施設
- 大阪府
- 大阪府内産廃焼却施設
- 吹田市(大阪府)
- 兵庫県内病院
- 西宮市(兵庫県)
- 和歌山県
- 島根県内産廃焼却施設
- 熊野町(広島県)
- 徳島県内産廃焼却施設
- 中央広域環境施設組合(徳島県)
- 壱岐市(長崎県)
- 菊池市(熊本県) 他
鴻池組は2000年に廃棄物焼却施設の解体事業をスタートさせて以来、20年以上にわたり全国にある様々な焼却施設の解体工事を請け負ってきました。そのノウハウを活かして、規模の大小や構造を問わない解体を可能にします。
対応例
- 300t/日の量のごみを焼却していた
大規模な焼却施設 - 病院内の小型焼却施設
- 高さ150mの煙突を持つ焼却施設
- 入り組んだ構造の施設

廃棄物焼却施設の解体には、通常の解体工事で発生する騒音などの問題に加えて、ダイオキシン類やアスベスト(石綿)の曝露・飛散の防止など安全・環境管理対策が必要となります。周辺環境に配慮し、住民の皆様に安心していただいたうえで工事を進めます。
対応例
- 騒音・振動・粉塵の24時間連続モニタリングの実施
- 焼却施設全体を覆う仮設テントの設置
- 汚染水の浄化処理
- ダイオキシン類汚染物の現地無害化処理
- アスベストの除去

市街地における大型焼却施設の解体例として、光が丘清掃工場(東京都練馬区)の解体作業をご紹介します。
光が丘清掃工場は総住宅数12,000戸の大規模団地の中に位置し、隣接する商業施設や総合病院にも配慮しながら、
騒音、粉塵、ダイオキシン類の飛散防止のために超大型仮設テントを設置して解体を行いました。
❶アスベスト含有仕上塗材除去
外壁の仕上塗材にはアスベストが含まれている場合があります。集塵機付きのグラインダー(切削機)を使い、塗材を削りとると同時に塗材くずを吸い取るので、粉塵が発生しません。
❷仮設テント組立
地上で組み立てたテントフレームを、油圧ジャッキでスライドさせながら組み立てました。建設当時、「最大の負圧密閉式テント」としてギネス世界記録™に登録されました。
❸工場棟解体
200t級の超大型建物解体専用機を使って解体しました。仮設テントの屋根にはスプリンクラーを設置し、散水しながら解体することで粉塵を低減しました。
❹ごみバンカ解体
ごみバンカとは各家庭から回収したごみを貯めるピットのことです。地下13mの深さまで全て解体撤去しました。
❺煙突解体
煙突は内側の鋼製の筒と、外側のコンクリート製の筒の二重構造になっていて、内側から順番に解体しました。外側の筒はワイヤーソーを使用してクレーンで吊れる大きさに切断しながら解体しました。
❻煙突基礎解体
煙突の基礎は超巨大なコンクリートの塊です。そのままでは解体しづらいので、所々に穴を空けることでそこを起点として、圧砕機で解体しました。
鴻池組は半世紀前から土壌汚染対策をはじめとして、水質汚染対策や災害廃棄物処理などに取り組み、
数多くの環境ソリューション技術を向上させるとともに、
近隣住民の方々に安心して暮らしていただけるよう生活環境の保全にも努めています。

土壌浄化などへの取り組みを
業界に先駆けてスタート
鴻池組は1975年に環境修復(汚染された自然環境を健全な状態に戻す技術)の研究を開始。まだ日本に土壌汚染対策に関する法規制が無いなかで環境技術チームを社内に設置し、1992年には工場跡地の土壌浄化などへの取り組みを業界に先駆けてスタートさせました。

環境問題への関心が高まるなか
「環境フォーラム」を開催
1993年には、環境浄化業務で前年に技術提携したAGRA社と共同で同業他社や官公庁、大学などを対象とした「環境フォーラム」を開催。土壌浄化に関する研究や技術開発など、環境修復事業に先駆的に取り組み実績を重ねたことから「環境の鴻池組」と呼ばれるようになりました。


住民・自治体・施工者が三位一体と
なった新たな環境事業の試み
2000年に日本で初めてダイオキシン類汚染物と汚染土壌の大規模な現地無害化処理を行うプロジェクトとして、高濃度ダイオキシンで汚染された焼却施設(和歌山県)の解体撤去工事を受注した鴻池組は、和歌山県と「産廃処理場を撤去させる会」の3者で環境保全協定を締結し、地元住民と十分なリスクコミュニケーションを行い、了承を得たうえで焼却施設の解体撤去とダイオキシン類汚染物・汚染土壌の現地無害化処理を進めました。
住民・県・施工者が三位一体となって実施したこのプロジェクトは環境事業における先駆的な試みとして高く評価されました。


環境ソリューションとなる
未来を見据えた技術を研究
汚染の種類に応じて多様な修復技術を開発し、豊富な実績を積み重ねてきた鴻池組。土壌だけでなく水質汚染対策や産業廃棄物処理、災害廃棄物処理などにも取り組み、様々な環境ソリューションを生み出しています。
2021年には環境技術と土木技術の新たな研究・開発拠点となる「大阪テクノセンター」を開設。環境技術では、土壌洗浄や固化・不溶化処理、廃棄物の分別、水質浄化など、持続可能な社会実現に向けて未来志向の研究・開発を行っています。

焼却施設解体システムには、鴻池組が環境修復事業で培ってきたノウハウが活かされています。
住民の皆様に配慮した安全安心な解体技術について、担当者がご紹介します。
鴻池組の焼却施設解体システムは、汚染状況の調査から始まり、
周辺環境に配慮し、住民の皆様に対して情報公開をしながら工事を進めます。
-
事前調査
解体施設の汚染状況を調査し、解体作業管理区域を決定します。
-
汚染物の除去
解体管理区域に適合した保護具等および施工方法で汚染物を除去します。
-
施設の解体
汚染物除去結果を確認した後、焼却施設の解体を行います。
-
廃棄物の処分
汚染物を除去した解体廃棄物は分別し、可能な限りリサイクルします。
-
ダイオキシン類汚染物の
無害化処理高濃度ダイオキシン類汚染物は、現地での無害化処理が求められる場合があります。
鴻池組は国際目標であるSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて
KONOIKE Next Vision[for SDGs]を策定し、2030年までに達成する目標を掲げています。

長期にわたり稼働してきた焼却施設を解体・リニューアルし、最新設備を導入すると、以下の効果が期待できます。
- 消費電力を抑え、省エネルギー化を推進
- 効率よく焼却できるようになり、CO2排出量を削減
- 低公害化による環境保全
私たち鴻池組は、焼却施設解体システムのご提案を通じ、SDGs達成への取り組みを続けて、より良い世界、より良い暮らしを叶える持続可能な社会の実現を目指していきます。