- 2019
- 教育・研究・文化施設
足立美術館 魯山人館
OUTLINE
やわらかな光に包まれた展示空間の創出
足立美術館は、横山大観のコレクションと世界的に名高い日本庭園で知られる。一方で、北大路魯山人のコレクションも非常に充実しており、所蔵作品は約500点に及ぶ。2020年に開館50周年を迎えた同館の記念事業として、魯山人コレクションを収蔵・展示する魯山人館をオープンするにあたり、コンペで受注し設計・施工を担った。
SOLUTION
お客様との約束
「北大路魯山人コレクションを展示・鑑賞する空間とは」が、設計時のテーマ。導き出された答えは、作品を集中して鑑賞でき、新たな価値や時間が堆積していく展示空間であった。壁面展示ケース上部に見えないように配置した照明で、真っ白な天井面を照らし、そのバウンド光で室全体と展示の照度を確保。照度を低く落とし作品を浮かび上がらせる一般的な展示とは対照的に、明るく影のない空間を創出した。天井面には設備機器を設置せず、壁と天井の取合い部はR形状に。展示ケースは高透過低反射ガラスを採用し、上部もガラスとするなど、光が均一に回り込むよう工夫し、視界の邪魔になるものを可能な限り排除。集中して鑑賞できる空間をめざした。
DATA
建築主 | 公益財団法人足立美術館 |
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所在地 | 島根県安来市 |
設計 | 意匠:三好陽介 構造:萩原勇亮 設備:大岩大志 |
構造・規模 | 延床面積:449.60㎡ 構造:鉄筋コンクリート造・一部鉄骨造 規模:地上1階 |
竣工年月 | 2019年12月 撮影:(株)写真通信 |