- 2019
- 教育・研究・文化施設
松原市民松原図書館「読書の森」
OUTLINE
時代と自然を超えて調和する、智の拠点
大阪府松原市は活発な住民活動により、他には類を見ない密度で図書館分館を有している。本件は、それらを束ねる中央館として図書館サービスの根幹を担う、新たな図書館の建築プロジェクトである。
SOLUTION
社会との約束
松原市の智の拠点として、時代を超えて親しまれ続ける存在であることが重要と考えた。市内に散在する巨大な人工古墳は、長い時間を経て街に溶け込んでいる。公園内の池を敷地とする本計画においては、経年変化を受けとめる古墳のように、建築のスケールを超えた土木的な建築をテーマとし、人工的でない一種の自然物のような姿を目指した。開館後の図書館は池上に雄大に佇み、水のゆらぎや光の変化、市民の日常と共に穏やかな時間を刻んでいる。
お客様との約束
敷地は溜池の一画という特殊な条件で、諸条件を検討し、「池の中に建つ」というアイデアを実現へと導いた。池の中に600mmの厚いコンクリートによる力強い外郭をつくり、これを構造的な拠り所にした鉄骨造による自由な立体空間を内部に生み出した。厚い外壁は守られた室内環境を生み出すとともに、開口部から流れ込む風は立体的な内部空間を吹き抜ける。
DATA
建築主 | 松原市 |
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所在地 | 大阪府松原市 |
設計 | 意匠:大橋達也※1) 高野洋平※2) 森田祥子※2) 構造:永原吉浩※1)福原哲夫※1)富岡良太※3) 設備:大岩大志※1)荻原廣高※3) 向井一将※3) ※1 株式会社鴻池組大阪本店一級建築士事務所 ※2 有限会社マル・アーキテクチャ一級建築士事務所 ※3 オーブ・アラップ・アンド・パートナーズ・ジャパン・リミテッド |
構造・規模 | 延床面積:2,883.93㎡ 構造:鉄筋コンクリート造 規模:地上3階・地下1階・塔屋1階 |
竣工年月 | 2019年11月 撮影:(株)写真通信 |