
鴻池組は2021年、創業150周年を迎えます。
ここまで150年、そして次の150年へ。
鴻池組の今、そして未来の姿をお伝えします。
自分たちの会社はどんな会社なのか。これからどんな会社にしていくべきか。
150周年に向けて、私たちはまずこの問いかけに答える活動からスタートしました。
誠実 懇切 敏速
じつは情熱のかたまり。
つくっているのは、
ビルやインフラだけではない。
より快適で安全な生活を実現し、
さまざまな環境課題の解決に取り組み、
災害対策にも貢献する技術と品質。
人と社会とともに、150年。
そして次の150年へ。
社是である「誠実、懇切、敏速」を
守り続けて、変わらずに、受けついでいく。
まじめに、まっすぐ、つながる思い。
ひとつになって成しとげる、私たちの仕事。
鴻池組、じつは情熱のかたまり。
スローガンは、なにをどう伝えるべきか。
プロジェクト会議のワークショップは、
その目的を考えることから始まりました。
知名度アップ、事業内容を伝える、未来を語るなど、
たった10文字前後のことばに託す思いはさまざまでした。
以下はスローガン案とそれに対する意見の抜粋です。
社会を支える情熱
建設会社の魅力、仕事への誇りを感じる。「社会」のことばで事業内容がイメージできる。
挑み続ける力
なんの会社か全くわからない。挑戦力をアピールしたい意図は感じる。
人と技術の実現力
「技術」ではあまり差別化できない。ものづくりの会社だということは伝わる。
信頼を力に、未来へ
響きがいい。「信頼」ということばが大事。「未来」は他社もよく使っている。
未来にとどける仕事
インパクトはあるが、鴻池組らしいかどうか。きれいすぎる。他社でもつかえそう。
明日を切り拓く
「あす」か「あした」か読み方に迷う。どこかで聞いたことがありそうなスローガン。
まじめに、まっすぐ
鴻池組らしい。無理していないところがいい。シンプルで子どもにも覚えてもらえる。
満足をつくる仕事
お客様満足をめざしている方向性に合う。ゼネコンらしくない独自性がある。
信頼を築いて150年
150周年までしかつかえない。歴史はあるが古くさい会社のイメージ。
まじめに、やりぬく
主語が鴻池組なので、一方的な主張になる。ひらがなだけでも強さがある。
情熱、勇気、挑戦
漢字は強さがあるが、子どもには読みづらい。社是三則と紛らわしいのではないか。
まじめに社会を支えてる
姿勢と業態の両方を表現している。
熱い思いと確かな仕事
コアコピーの内容とつながる。「熱い」と「確かな」が人をあらわしている。
社会を支える確かな仕事
「熱い思いと確かな仕事」と「社会を支える情熱」の合わせ技はどうか。
しっかり、あしたへ
銀行か保険会社のスローガンのようだ。メッセージがあいまいな印象。
スローガン
変わらずにうけつがれる社是の精神、
お客様や地域の人々、社会と真摯に向き合う姿勢。
その「まじめに、まっすぐ」な情熱が、
鴻池組の本質をあらわしています。
オンリーワンな価値を伝えるスローガンです。
2021ロゴは、デザイン案をもとに協議がまとまった
ところで、蔦田社長(現会長)が言いました。
「1」を矢印にしてみたらどうなるか、と。
いま注目されているオリンピックイヤーの「2020」に
「1」をプラスした「2021」が鴻池組の年。
数字をメインにする方向性で、さらに試作が重ねられました。
キービジュアルは、インパクトがあり、
見る人によって自由にイメージが広がるように、
シンボリックな造形を追求しました。
直線と曲線を使って太さを変えたシンプルな構成。
光、気流、あるいは樹木など、いろいろな連想と結びついて
印象に残ることをテーマに設計されています。
キービジュアル
ブランドのビジュアル要素「挑戦のストリーム」。
変わらない社是の本質と未来への挑戦が融合し、
進化するさまをシンボリックに視覚化しています。
中央の直線は普遍的な精神、そこから広がる曲線は
挑戦による上昇と拡大をあらわしています。
サインシステム
仮囲いはブランドコミュニケーションの
効果的なメディアとして活用できます。
ダイナミックに要素を展開した場合のイメージです。
創業以来、社会の発展と共に歩んできた
鴻池組150年の歴史をお伝えします。
鴻池忠治郎、北伝法村(現大阪市此花区伝法)で個人創業。
建設業ならびに運輸業を営む。
淀川改良工事に従事し、本格的に土木事業に乗り出す。
日本初の民間平炉工場で当社初の大型土木建築 請負工事となる、日本鋳鋼所(後の住友鋳鋼場)鋳物工場建設を受注。
若松市(現北九州市)に出張所を開設(現九州支店)し、近畿圏外へ初進出。
明治専門学校(現九州工業大学)校舎を受注。
福岡医科大学学舎(現九州大学)、完成。
鴻池組旧本店、完成。
東京出張所開設。
(現東京本店)
富士製紙(現王子製紙)江別工場、完成。
関西建設業界で初となる「株式会社」へ改組、鴻池忠三郎が取締役社長に就任。
名古屋出張所開設。(現名古屋支店)
創業地北伝法に由来する「マルキタ」を正式社章に。
丸味は「円満と調和」
左右の跳ね上げは「飛躍と発展」を表す。
今市町(現出雲市)に出張所を開設(現山陰支店)。
早川第一発電所、完成。
大阪市道頓堀川に架かるRCアーチ橋 戎橋、完成。
広島市庁舎、完成。
英国大使館官邸、完成。
東京市中央卸売市場
(築地市場)、完成。
市ヶ谷陸軍士官学校、完成。
「社是三則」を定める。
創業者忠治郎の言葉「控え目に、堅実に立てるべきは立て、進むときは思い切って進む」を根流とする。
初の国外出張所を満州に開設。【写真】▲
尾道に営業所を開設(現広島支店)。
宮古町に営業所を開設(現東北支店)。
鴻池小六が取締役社長に就任。
鴻池藤一が取締役社長に就任。
軍需会社法により運輸部門を分離独立させ、鴻池運輸株式会社を設立。当社は建設業専業となる。
京都市蹴上浄水場、完成。
当時、世界で五指に入る長大道路トンネル六甲山トンネル、完成。
大阪市中央区に本社社屋「鴻池ビル」完成、移転。
有芳園西館、完成。
技術研究所を大阪市此花区に設置。
横須賀電気通信研究所、完成。
(アフガニスタン)
カブール結核センター、完成。
日本銀行松江支店、完成。
海外事業部を発足させ本格的に海外工事へ取り組む。
(タイ)マハラート病院1期・2期、完成。
(ホンジュラス)農業開発センター、完成。
(スーダン)ハルツーム病院
1期・2期、完成。
鴻池一季が取締役社長に就任。
(タンザニア)ローアモシ農業開発、完了。
(ソマリア)ロワ・シャベリ地区水供給、完了。
名古屋市美術館、完成。【写真】▼
(ケニア)穀物サイロ、完成。【写真】▲
(アメリカ)ベルビュープレイス
オフィスビル、完成。
西日本初の超高層RC住宅
高見フローラルタウン、完成。
コシノヒロコデザインによる新ユニフォーム導入。カラーはハードながらもファッショナブルなカーキ色を採用。
「KONOIKE」ロゴ制定。
ブルーは創造性と柔軟性の象徴として「水」をイメージ。イエローは先進的思考と躍動感の象徴として「光」をイメージ。
近つ飛鳥博物館、完成。
阪神淡路大震災復旧工事に活躍、淀川左岸に新堤防を築造。
名港西大橋(下部工)、完成。
島根県立美術館、完成。【写真】▲
「平成の雲龍図」が描かれた天龍寺法堂改修工事、完了。
東京国立博物館 平成館、完成。
田島ダム、完成。
阪神淡路大震災で被災した重要文化財、明石城修復作業、完了。
芦北大橋、完成。
国際子ども図書館、完成。
株式移転により完全親会社である
鳳ホールディングス株式会社を設立。
その完全子会社となる。
大岩祥一が取締役社長に就任。
ISO9001登録証の全店統合完了。
国内初のダイオキシン大規模現地処理を
和歌山県橋本市で完了。
初のPFI事業、岐阜大学総合研究棟施設整備事業、着工。
重要文化財、松江城石垣改修工事、完了。
ISO14001登録証の全店統合完了。
名古屋大学医学部付属病院中央診療棟、完成。
玉井啓悦が取締役社長に就任。
蔦田守弘が取締役社長に就任。
戎橋、改修工事完了。
本町南ガーデンシティ、完成。
熊野川長殿地区河川閉塞緊急対策工事、完了。
国内初、PCB特別管理産業廃棄物現地無害化処理、鶴見川遊水地土壌改良工事、完了。
COHSMS(建設業労働安全衛生マネジメントシステム)を全店で取得。
名塩道路八幡トンネル、完成。
積水ハウス株式会社と業務提携。
江東区シビックセンター、完成。
G7伊勢志摩サミット国際メディアセンターアネックス、完成。
広島豪雨に伴う災害廃棄物処理、完了(広島市)。
熊本地震に伴う被災家屋解体廃棄物等処理業務委託、完了(熊本市)。
コーポレートスローガン
「まじめに、まっすぐ」制定。
S-GATE日本橋本町、完成。【写真】▼
積水ハウス株式会社の連結子会社に。
福島第一原発事故に伴う特定廃棄物セメント固型化処理施設、稼働。
国内初の人工競技場カヌー・スラロームセンター、完成。
ユニフォームを全面リニューアル。
渡津弘己が取締役社長に就任。
長期ビジョン「KONOIKE ONE VISION 2050」を策定
どこにもないをここにつくってきた
やりがいも楽しさも、そして苦しさも
ありがとう「チームKONOIKE」
「縁の下の力持ち」
鳶・土工
石川 純一様
有限会社キョウワビルト工業
仮設工は現場に仕事がしやすい安全・安心な環境を提供し現場全体のイメージを明るく保つちます。
仕事の合言葉は「安全第一!」
「重量鉄骨を組み立てていく達成感」
鉄骨工
安喰 真様
株式会社巴コーポレーション
建物の骨組みとなる鋼製の柱や梁を組み立てています。
ボルトを締めるインパクトレンチは欠かせない愛用具。
「壁をきれいに仕上げるやりがい」
左官工
道鬼 正彦様
有限会社道鬼左官工業
建物の壁や床の表面を鏝を用いてきれいに仕上げます。
左官という職種がもっと認知されることが目標。
「人々が快適に過ごせる内装空間をつくる」
軽量鉄骨下地工
村社 聖二様
株式会社
インテリアスペース・ゼロ
天井や壁の骨組みとなる軽い鉄でできた棒状の材料を組み立てています。仕事飯はやっぱり「うまい、やすい、はやい、牛丼!」
「電気を流し、あかりが灯る感動」
電気・衛生空調工
平井 一喜様
株式会社きんでん
建物にあかりを灯し、水と空気を流し込む。いわば「建物を活かす」仕事です。
仕事飯は週2回以上のカレー。
「変化する地層を読んで新たな道を切り開く」
トンネル工
小笠原 誠様
株式会社金子組
火薬や大型重機を使用して山を掘り、道路や鉄道、水路などのトンネルをつくります。
チームワークを大切に、いつでも笑顔で声掛け!
「100年構造物の構築を目指して!」
コンクリート土工
為金 桂一郎様
壺山建設株式会社
型枠の中にコンクリートをバイブレーターなどで振動を与えながら丁寧に流し込みます。
「気持ちを込めれば込めた分だけ良質な構造物が仕上る!」
「成し遂げた構造物を眺める喜び」
鉄筋工
桑原 健様
株式会社ノーグチ
コンクリート構造物の骨組みとなる鉄筋の加工・組立を行います。
雨ニモマケズ 風ニモマケズ仕事を成し遂げます。
「未来に残る構造物をつくる」
型枠工
川上 忠幸様
有限会社市川建設
コンクリートを流し込む枠をミリ単位の精度作ります。
モットーは「全力対応!」
「専門知識で土と戦う、達成感」
山留工
鈴木 勝巳様
ヒロセ株式会社
掘削時に周囲の土や水の侵入を防ぎ、地盤崩壊を防止します。
現場では若手の育成に力を尽くしています。
「見えない地中と戦う」
杭打ち工
金子 浩一様
住吉運輸株式会社
地盤を掘削して、建物を支える「杭」を地中に埋設する仕事です。安全対策、品質管理に特にこだわって施工しています。
「ICT技術を活用して正確な施工」
重機土工
矢羽田 憲司様
国土開発工業株式会社
重機を駆使して人の力だけではでは難しいさまざまなインフラをつくりあげる。
将来の目標は、マイボートで釣り。
躯体工事を中心に北海道から名古屋までの東日本で工事を行う同社の代表取締役会長。
2007年より「鴻友会」の会長を務め、現場で働く職人に光が当たる労働環境の仕組みづくりに注力。
※「鴻友会」とは
様々な専門工事会社で編成された、鴻池組の協力会社組織。鴻池組と会員の双方の競争力向上を図り、より良いものづくりを行うことを目的としたプロフェッショナル集団。
鴻池組は、協力会社の皆さまのお陰をもちまして、 長年にわたり数多くの社会資本の整備に貢献することができ、 そして今、創業150周年の節目を迎えることができました。
私たち建設業界は「働き方改革」「i-Construction」などに取り組み 今まさに、新しい時代を迎えようとしています。 これからも、チームKONOIKEすべての仲間たちが、 安全で安心して働ける活力ある建設業界となるために、 鴻池組と協力会社の皆さまの持てる総力を結集して これからの150年に挑んでいきましょう。
株式会社鴻池組
代表取締役社長
-鴻池組の軌跡-
全社員参加型で実施した新制度構築のためのイベント。部署単位で新制度を提案し、本支店で選抜を行ったうえで、全員投票を実施。最も得票の多かった最優秀提案について、現在、有志によるプロジェクトチームを結成し、制度化に向けた検討を行っています。
全国からの応募数:492件
社員の自由な発想や夢のある提案を募集し、鴻池組の将来のありたい姿を共有するためのイベントです。 「将来このようなことができたらいいな」、「今すぐには実現できないが、将来は…したい」と いった夢のある提案を全社員から募集し、全国から155件ものエントリーがありました。全員投票でグランプリを決定しました。
当社独自の水中掘削技術「SOCS」(自動化オープンケーソン工法)で大深度地下に挑戦。地下120mの居住空間の実現とギネス世界記録を目指す。最新技術による地下…
続きを読む当社独自の水中掘削技術「SOCS」(自動化オープンケーソン工法)で大深度地下に挑戦。地下120mの居住空間の実現とギネス世界記録を目指す。
白石 卓郎
グランプリ受賞おめでとうございます。
多くの方は幼かりし頃、井戸など深い穴をのぞき、「どれくらい深いのだろう?」と心躍らせた経験があるのではないでしょうか。
そのワクワク感を思い出せる素晴らしい夢だと思いました。
入賞作品だけでなくすべての提案が心躍るものばかりでした。これらのアイデアを技術開発や企業運営の参考としてイノベーション創出につなげていきます。
創業150周年プロジェクトリーダー
常務執行役員 深澤 卓司
鴻池組は2021年に創業150周年を迎えました。
1871(明治4)年、鴻池忠治郎翁が大阪で創業して以来、事業を推進することができましたのは、お客さまや協力会社の皆さま、地域の方々のご支援のおかげであると心より感謝し、御礼申し上げます。そして、多くの先輩方、社員たちが真摯に仕事に向き合ってきた歴史があるからこそで、改めて深く感謝いたします。
当社は、社是である「誠実・懇切・敏速」の精神を根底に、「社会と共に“豊かな地球”と“輝く未来”を築きます」という経営理念の下、もの創りを通じて人々が安心して暮らせる社会の実現を目指してまいりました。
そして、この節目の年に、2050年を目標年とした長期ビジョン「KONOIKE ONE VISION 2050」を策定しました。人と社会の幸せに貢献し、従業員自身も幸せを共有して未来へつなげていくという思いを込めて、ステートメントを「『幸せ』をつくる、支える、共にする」としました。鴻池組をさらに100年、150年と繁栄させていくため、時代の変化に対応し続けながら社会に持続的な価値を提供し、社会から選ばれる会社を皆様と共に築いていきたいと考えております。
今後もより一層のご支援を賜りますよう心からお願い申し上げます。
Comment from the president
講評
最優秀提案は、社員主体の人財価値創出と定年制度の変革を掲げたもので、様々な形で鴻池組で永く輝き続けることができる制度の提案です。
この提案を多くの社員が支持したということで、社員の皆さんが抱く会社への想いを強く感じました。
私が目標としている業界内「従業員エンゲージメントNo.1」に向けて進めていきたいと改めて強く感じました。
代表取締役社長 渡津弘己