建設工事に伴う環境負荷を低減するため、資源の有効利用を図り、CO2の排出削減や廃棄物発生量の低減が求められています。
建物の新設にあたっては、既存建物の解体撤去は不可欠です。一方、地下躯体については、条件により全てを撤去するのではなく、再利用によって廃棄物の発生を抑え、周辺環境への影響を抑えることも可能です。
既存躯体利用によるメリットは以下のとおりです。
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断面概要図 |
既存地下外壁を残し、その内側に新設躯体を構築する。 既存壁の配筋仕様等から山留め壁としての強度検討を行う。山留め支保工として鋼材あるいは新設スラブを用い、山留め壁の変形を防止する。背面に既存の山留め壁が残っている場合は、調査結果に応じて強度的に考慮することもある。 |
〔事務所ビルの事例〕 |
既存の底版を撤去せず、その上部に新設の基礎を構築し、底版をラップルコンクリートとして利用する。既存と新設基礎の間には流動化処理土等を充填し空隙をなくす。 |
〔集合住宅の事例〕 |
地下工事中は地下水の被圧があると、浮き上がり力が発生する。地盤アンカーを用いて浮き上がり対策とする場合、底版をアンカー定着する支持材として利用する。
集合住宅・ホテル
竣工:2007年6月
所在地:大阪市中央区
構造:RC造、S造
階数:地上46階、地下3階
面積:建築... 1,697m2
延床... 47,529m2
商業ビル
竣工:2007年9月
所在地:京都市中京区
構造:S造
階数:地上10階、地下1階
面積:建築... 407m2
延床... 3,681m2
商業ビル
竣工:2008年3月
所在地:大阪市中央区
構造:S造
階数:地上7階、地下1階
面積:建築... 490m2
延床... 3,120m2
事務所ビル
竣工:2011年3月
所在地:大阪市中央区
構造:S造(CFT造)
階数:地上26階、地下2階
面積:建築... 1,914m2
延床... 46,778m2