広島市災害廃棄物の中間処理完了
-災害廃棄物のリサイクル率99.8%を達成-

2016年03月31日  リリース[環境関連技術]

株式会社鴻池組(本社 大阪市、代表取締役社長 蔦田守弘)を幹事会社とする広島市災害廃棄物処理共同企業体※1)は、このたび広島市の豪雨災害に伴う災害廃棄物の中間処理を完了しました。
災害廃棄物総量52.3万トンの内、広島市が直接処理するものを除く災害廃棄物の中間処理を昨年2月上旬に開始し、今年2月下旬の完了までの約1年間で約51.3万トンを処理しました。リサイクル率は99.8%となり、達成目標値の98.9%を上回りました。
 
※1)鴻池組・リマテック・河崎組・山陽建設・壺山建設・RTT・山興緑化・広島市災害廃棄物処理業務共同企業体
 
広島市災害廃棄物処理業務
平成26年8月19日から20日にかけて広島市を中心に発生した豪雨により広島市北部に位置する安佐北区や安佐南区の住宅地を大規模な土砂災害が襲い、甚大な被害が生じました。これにより発生したがれき類や土砂等の災害廃棄物は市内9ヶ所の1次仮置場に集積されましたが、その総量は約58万トンと推定され、同市の既存の廃棄物処理施設では対応しきれないことが予想されたため、早期の処理に加え、なるべく多くの災害廃棄物をリサイクルすることが求められました。当共同企業体は平成26年11月に総合評価落札方式にて本業務を落札し、広島市南区出島地区で災害廃棄物の処理を実施しました。
 
業務概要
本業務は、①中間処理施設の設置、②災害廃棄物の1次仮置場からの運搬、③分別・破砕等の中間処理及び保管、④処理物の搬出などを行うものです。
 
 
災害廃棄物のリサイクル
1次仮置場から中間処理施設へと運搬される災害廃棄物は図-1に示す中間処理フローにより、リサイクルされるものと最終処分されるものに分別しました。このうち分別土砂(県の埋立事業用埋立材として利用)、破砕コンクリートがら(再生砕石としてリサイクル)、金属類(再生金属原料としてリサイクル)、紙・プラスチック・木片等の非塩素系可燃物(固形化燃料やセメント原料としてリサイクル)、木材チップ(バイオマス原料としてリサイクル)、根・枝葉(堆肥化原料としてリサイクル)等のリサイクルされた資源物の重量比率は約99.8%となりました。一方、塩ビ管等の塩素系可燃物(焼却処分)、瓦・レンガ等の残渣(埋立処分)等のリサイクルできなかった廃棄物の重量比率は約0.2%となりました。詳しい処理後物の品目別重量および重量比率は表-1に示す通りです。
 

 

 

「遺失物」および「思い出の品」の管理
手作業による丁寧な選別により、今回の業務の中で多くの「遺失物」(1751個)および「思い出の品」(965個)を見つけることができました。「遺失物」とは現金類、貴金属類、写真を含む個人情報物件等のことで、これらは警察署へ届け出ました。「思い出の品」とは遺失物以外のもので、被災者やその関係者の方々にとって大切なものであろうとの考えで回収されたもののことです。これらは写真撮影をしたうえでアルバムにまとめ、中間処理施設内の思い出の品預かり所で保管し、閲覧した市民の方から返却の求めがあった場合はご本人の確認を行ったうえで返却しました。