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鴻池組

複合ポリマー型地盤改良剤を用いた液状化対策技術を開発
-アルカリ性地盤の液状化対策を実現-

2019年06月12日  リリース[基礎]

株式会社鴻池組(大阪市、社長 蔦田守弘)と東亞合成株式会社(東京都港区、社長 髙村美己志)は、京都大学大学院地球環境学堂の勝見武教授の技術指導のもと、主に液状化対策を目的とした複合ポリマー型地盤改良剤『CXP(商品名)』を共同開発しました。また、これを用いた薬液注入工法(CXPグラウト工法)について、フィールド試験を行い有効性を確認しました。

■開発の背景
薬液注入による液状化対策技術は、既設護岸の背面地盤や既設タンクの基礎地盤等を中心に数多く適用されており、実地震での液状化防止効果も確認されています。しかし、その注入材として用いられている水ガラス系薬液の多くは、地盤のpH値が9~10程度以上でゲルの溶解度が急激に上昇するため、工場施設等の敷地で多く見られるアルカリ性地盤では、改良土の劣化や強度低下が懸念されます。また、注入後に養生期間として28日を要し、配合試験や改良効果確認試験を含めた全体工程が長くなることから、早期に十分な強度を発現する注入材の開発が望まれています。
そこで、アルカリ性地盤においても一般的な砂質地盤と同様に安定して設計強度を確保でき、注入後速やかに強度発現する、安全で浸透性や耐久性に優れた複合ポリマー型地盤改良剤『CXP』を開発しました。

 ■複合ポリマー型地盤改良剤『CXP』の特徴
本地盤改良剤は、アクリル酸マグネシウム(以下、AA-Mg)を主剤とし、ポリ塩化アルミニウム(以下、PAC)および添加剤を混合・添加した薬液であり、改良土に必要な強度に応じてAA-MgおよびPACの濃度を決定します。注入後、重合したAA-Mgから成る高分子鎖は、架橋剤となるPACによりネットワークを形成し、養生期間は従来の約1/5となる5日で高い架橋密度かつ高強度のゲル(複合ポリマー)になります(図-1、写真-1)。また、この高分子鎖の主鎖骨格は、化学的に安定している炭素-炭素結合からなるため、劣化要因となる加水分解等の分解反応が発生しません。このため経時安定性が高く、長期的な地盤改良効果が得られます。
アルカリ性地盤への適用性については、pH10~12に調整した砂の改良体(サンドゲル)が液状化対策として必要な一軸圧縮強さおよび液状化強度を確保し、長期耐久性を有することを室内試験で確認しています。また、安全性については、本地盤改良剤が魚類や甲殻類といった水生生物に対して影響を及ぼさず、改良土は土壌汚染対策法に適合することを確認しています。

■フィールド試験
CXPグラウト工法のフィールド試験は、名古屋市内の臨海部において実施しました(写真-2)。改良対象土層は、礫またはシルト混じりの砂質土から成る埋土層(GL-1.5m~-3.0m)と沖積砂質土層(GL-3.0m~-4.1m)で、N値は5~10、細粒分含有率は15%程度、pHは8.9です。
ダブルパッカによる注入施工後に改良体の品質確認を行い、注入材が地中へ円滑に浸透したことや、設計時の目標強度(60kN/m2以上)および出来形(半径1.25m以上、写真-3)を十分確保できたことを確認しました。

■今後の展開
今後は、公的機関の技術評価を取得するとともに、実工事を通じて地盤災害の防止に貢献していきたいと考えています。

 

 

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