2005.10.11 リリース
株式会社 鴻池組
PDA(携帯情報端末)を用いた設備工事管理システムの開発

現場管理業務の効率化 / 携帯性に優れたモバイルツール
設備工事の進捗管理と検査システム
建築工事管理システムとの連動


 (株)鴻池組(本社 大阪市 社長 大岩祥一)は、設備工事管理を支援するためのPDA(Personal Digital Assistants/携帯情報端末)を用いたモバイルシステムの自社開発を進め、今回、「設備進捗管理システム」と「設備検査システム」の現場適用を実施した。本システムは、作業服のポケットに納まる携帯性に優れた PDAの活用により、現場で発生する情報をその場で素早く収集することが可能で、設備工事進捗ならびに検査に関する管理書類の作成業務を大幅に省力化している。一方、設備工事管理におけるゼネコンと協力業者の役割分担は建築工事と異なる。一般にゼネコンの設備工事管理者は複数の現場を兼務することが多く、協力業者の現場代理人との連携は極めて重要である。今回開発したシステムでは、当社設備管理者だけでなく協力業者現場代理人の利用も考慮し、自主管理も含む工事管理全体の効率化を実現している。
 鴻池組は、すでに建築工事管理を支援するためのPDAを用いたモバイルシステムとして建築の進捗管理システムと仕上検査システムを自社開発し、集合住宅を中心に 20件以上の工事に導入、省力化を実現している。また精度管理システムも開発し、特に超高層建築工事の鉄骨やPCa柱、型枠の建方精度管理に有効活用している。今回、開発した設備システムは建築工事管理システムと連動しており、例えば建築仕上工事そして設備工事の両方の進捗状況を同時に確認することができる。このような建築工事と設備工事間の情報連携を通してプロジェクト全体の効率化を実現している。

  設備工事管理支援PDAシステムの主な特徴は以下の通りである。
1) PDAは片手で扱える手のひらサイズであり、携帯性に優れている。
2) CADデータを用いた図面上に不具合の位置を指摘できる。
3) パソコン上でデータを自由に選別・仕分けが可能である。
4) プリンタを用いて高速で安価な出力が可能である。

  PDAの画面展開を図 1に示す。リストからの選択を主としたグラフィカルな直感で、理解しやすい操作方法と手順である。
◇進捗管理システムでは、利用者は各項目に対して「未着手」、「着手」、「完了」の状態を入力する。また同じ画面で、建築仕上工事の進捗状況も確認できる。
◇検査システムでは、利用者は該当住戸の、@平面図上に不具合の位置をマークし、A部屋名・部位・職種・機器・指摘内容・対応業者を一覧表から選択する。
  PDAに入力したデータは、工事事務所にあるPCのシステムにおいて一元管理される。このシステムは表計算ソフトを基に構築されており、進捗管理図(図- 2参照)、住戸別の検査記録、業者ごとの不具合指摘リスト(図- 3参照)を作成できる。これら PDAとPC間のデータ送受信や、PCにおけるデータ集計、印刷機能はいずれも簡単なボタン操作で実行できる。

 現在、大規模集合住宅新築工事と特別養護老人ホーム新築工事へ適用中であり、成果を確認している。同時に、自社開発の利点を生かし、利用者の意見をシステム改善に継続して反映させている。今後は集合住宅や病院、老健施設など部屋数が多く、管理手間を要する工事を中心にシステム適用を拡大する予定である。鴻池組では、従来からの事務所のOA化に加えて、現場管理支援のためのモバイルシステムの開発を進め、将来的には建築生産システム全体の統合的なIT環境の構築による工事管理技術の高度化と効率化をさらに促進させる予定である。



図-1 PDAの画面展開例

図- 1 PDAの画面展開例
     
図-2 設備工事の進捗管理状況   図-3 設備工事の不具合指摘リスト
図- 2 設備工事の進捗管理状況   図- 3 設備工事の不具合指摘リスト
     
鴻池組設備管理者によるPDAを用いた天井内ダクトの検索状況
鴻池組設備管理者によるPDAを用いた天井内ダクトの検査状況
     
協力業者によるPDAを用いた住戸盤取付け後の検査状況
協力業者によるPDAを用いた住戸盤取付け後の検査状況
     
協力業者によるPDAを用いたマルチメディアコンセント,ボックス内の検査状況
協力業者によるPDAを用いたマルチメディアコンセント,ボックス内の検査状況
     
鴻池組設備管理者によるデータ集計および進捗表の表示状況
鴻池組設備管理者によるデータ集計および進捗表の表示状況



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