地盤改良工法(エポコラム工法)

東京本店 工事事務所 市川裕祐
/ 宮本武司

工事概要

北関東自動車道出流原(いずるばら)トンネルは、小土かぶりで軟弱埋め戻し地山(N値1~10程度、採石場で発生した鉱業廃棄物(脱水土:シルト)および採石場内の掘削残土の盛土)と軟岩の境界を通るという特殊地山条件のもとで計画されました。
トンネル掘削時の切羽安定および長期的な沈下対策として、不均質かつ、硬質な地盤でも削孔と攪拌が可能なエポコラム工法を採用しましたので紹介します。

エポコラム工法の概要と特徴

エポコラム工法とは、攪拌翼の外翼と内翼が同一方向に回転し、中翼と削孔ヘッドが、逆回転することで、相対する翼間の土砂を対流流動させ、均質な改良体を造成し、所定強度に固化する工法で、特徴として以下の点が挙げられます。

  1. 施工コストの軽減と工期短縮ができる。
  2. 攪拌性能が高い。
  3. コラム相互の接合融着が完全にできる。
  4. 転石層でも混練攪拌性に優れる。
  5. 杭芯の精度保持性が高い。
  6. コラム径を選定できる。

本工事の改良体配列は、トンネル掘削時の天端の抜け落ち防止のため、未改良部分を残さないようラップ配列(φ1.6m、改良率100%)で施工しました。
エポコラム工法の施工にあたっては、事前に試験施工を行い、レキを含む建設残土層は1回攪拌としましたが、シルト主体の脱水ケーキ部分では2回攪拌とし、対象地山の土質に適応した施工方法の採用による品質の確保を図りました。
全体数量は、1回攪拌が762本、2回攪拌が1,633本、施工土量が78,466m3で、トンネルの補助工法として採用した施工規模としては国内最大級です。
図-1にトンネル部分の地山改良の標準断面を示し、写真-1に上り線のトンネル掘削をしながらエポコラムによる地山改良を並行で作業している状況を示します。

 

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459号(2010年10月01日)