伊藤主任に大阪市立大学から博士号

東京本店建築設計部の伊藤真二主任(兼本社技術研究所主任研究員)は、平成18年9月に大阪市立大学より博士(工学)の学位を授与されました。

伊藤主任は、平成4年に大阪市立大学大学院工学研究科を修了後、入社。本社技術研究所に配属され、超高層建物の耐風設計や制振装置の適用、市街地のビル風の解析など、建物と風との関係についての課題を中心に、床振動、交通振動、機械振動などの環境振動、さらに施工時におけるRC躯体の安全性検討の解析など、技術開発から実物件対応までさまざまな業務に携わってきました。

博士論文「陸屋根面上流れの時空間構造と風圧特性に関する基礎的研究」は、つくば地区の建築系研究機関で構成される共同研究会によって実施された研究を発展させる形で、伊藤主任が大阪市立大学大学院の谷池義人教授の指導を受けてとりまとめたものです。

論文の特徴は、風洞実験において、煙によって可視化された建物模型周りの瞬間の画像情報から風速を測定できる装置を用いることで、従来できなかった瞬間風速の面的な測定と建物に作用する瞬間の風圧測定を同時に行ったことにあります。この手法により、建物周りの風の流れの時空間構造とそれに伴う風圧の発生機構を明らかにすることができました(図-1、2)。

この研究の成果を、昨今増加している超高層建物、超高層免震建物の風揺れや風荷重、高層建物周りのビル風、さらには、外装材の風切り音等、実務上の風に関係するさまざまな問題へ活用することが期待されます。
 

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428号(2007年03月01日)