(株)ジオスチームによるPCB汚染土壌浄化事業

はじめに

平成19年8月より無害化処理を開始した(株)テルムによるPCB汚染土壌浄化事業(ET-434参照)は、平成20年8月から東芝・テルム・鴻池組の3社が共同で設立した(株)ジオスチームに引き継がれ、順調に処理をすすめています。当初は時間あたりの処理量が0.3tの小規模設備で運用していましたが、将来需要を考慮して時間あたり2.0tの設備(写真-1)へ増強し平成21年2月から同設備の稼働を始め、平成21年11月には処理量が延べ1万tを突破しました。

ジオスチーム法

ジオスチーム法は、土壌を加熱し汚染物を蒸発させる方式(間接熱脱着法)により土壌からPCBなどの汚染物を除去する工程と、土壌から蒸発させた汚染物 質を水蒸気で分解する方法(水蒸気分解法)により無害化する工程の2つの工程で構成されています(図-1)。浄化された土壌は、土木原料やセメント原料などとしてリサイクルされます。

今後の営業展開

これまで引き合いのあった顧客の業種は、PCBを使用した製品の製造メーカだけでなく、製品のユーザ、学校、官公庁など多岐にわたります。当社は北九州のジオスチーム社での無害化処理業務だけではなく、PCB汚染土壌や汚泥などの低濃度PCB廃棄物を保管されている事業者へも積極的に営業展開しており、掘削除去工事や汚染土壌搬出工事も行い、ジオスチーム社にPCB汚染土壌を納入しています。また、当社は、顧客のニーズや条件に応じて、ジオスチーム法での現地無害化処理も手がけています。

平成22年4月の改正土壌汚染対策法の施行や資産除去債務を考慮した新会計基準の適用を受け、汚染土壌や埋設廃棄物の処理問題の顕在化が予想されます。現在、ジオスチーム社ではPCB廃棄物は受け入れておらず、PCB汚染土壌の無害化処理のみおこなっていますが、今後は汚泥やコンクリートガラなどのPCB廃棄物の処理も視野に入れた展開を図っていく予定です。

(問い合わせ先)土木本部 工務管理部 井澤武史 TEL.06(6343)3473

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457号(2010年04月01日)