■ はじめに
当工事は、大阪市中央区の大阪市営地下鉄淀屋橋駅近くに位置し、地下3階、地上46階のマンション棟(アップル
タワー淀屋橋)および地下3階、地上15階のホテル棟(アパホテル淀屋橋)からなり、地下全体が駐車場としてつながっています
( 図−1)。
当建物は、地上8階地下2階の既存建物(旧りそな銀行)の大部分を解体し、地下躯体の一部(外壁、底版)を残し
たままその内部に建設する計画であり、コスト縮減、工期短縮に加え、解体廃棄物の低減による環境に配慮した設計です。今回は既存地下躯体を利用した地下施工計画の概要について紹介します。
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図―1 外観パース |
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■ 地下施工計画の概要
工事内容として、地下外壁、底版を除いた躯体の解体工事、マンション棟における場所打ち杭工事、地下躯体工事およびそれらの工事を安全に、効率よく進めるための山留支保工、構台、安全計測等の仮設工事があげられます。具体的に地下施工計画を策定するに当たり、下記課題について検討しました。
@地下躯体の浮き上がり対策
地下躯体の解体進捗に応じて、地下水圧により建物の浮き上がりが発生します。その浮き上がり対策として、基礎下の地盤にアンカーを定着させる地盤アンカー工法と既設建物外壁部への薬液注入による遮水工法を比較検討しました。既存建物が敷地境界に近接し、既存壁廻りの薬液注入が困難なこと、十分な遮水効果が得られるには相当量の 注入が必要となること、漏洩からくる地下水排水費用の増大が懸念されることなどの理由から、地盤アンカー工法を採用しました(図−2)。
A杭打ち作業地盤の選定
地下内部の躯体を解体し、周辺地盤と同じ高さに設置した仮設構台を利用する方法と、地表まで埋め戻して地盤とする方法について比較検討しました。後者では購入土による埋め戻し、地下掘削が伴うことからコストアップおよび工期の遅延をもたらすことになるため、前者の仮設構台案を採用しました。
B工法の選定
仮設構台上から杭打設が行え、地下掘削工事が省略できるため、コストメリットのある順打ち工法を採用しました地下工事の施工手順および工程を示します(図−3、4)。

図―4 工事工程
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■ 地盤アンカー工法
既存底版の深さは、ホテル棟でGLー11.9m、マンション棟でGLー11.9〜ー13.2mであり、地下水位がGLー約3.5mと高いことから、躯体重量を考慮しても約70kN/uの浮力を受けています。
地盤アンカー工法は、底版下の地盤を削孔、グラウトしてアンカーを定着させ、引き抜き力を得る工法で、仮設および本設で広く使われています。ここでは、全長14m(定着長12m)、1本当たり735kNの設計アンカー力が得られます。この地盤アンカーを3〜3.5mピッチに設置して、建物全体に生じる浮力に抵抗します。
計画時は、FEM(有限要素法)解析により既存地中梁や新設杭の影響範囲を避けて地盤アンカーの適切な配置および本数を決定し、既存底版強度の安全性について確認しました。また、施工中は、削孔時の土砂の流入を防止するため、地下1階までケーシングを建て込み、安定液を張った状態で、地下1階から削孔を行いました(写真−1)。

写真―1 地盤アンカー施工状況 |
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■ 杭工事計画
マンション棟は杭基礎形式で、アースドリル拡底杭(主要杭の軸径:2,400mm、拡底径3,200〜3,800mm)が採用されています。杭施工に先立ち、杭施工部分の既存底版を全旋回ジャッキにて解体撤去する必要があります。底版解体時に地下水の流入を防止し、かつ杭施工時の安定液の漏洩を防ぐため、底版よりスタンドパイプを設置し施工します。杭工事の手順を図−5に示します。
施工計画上では、全旋回ジャッキおよび100tクローラークレーンを積載できる構台計画、スタンドパイプや既存躯体を避けた山留支保工計画、スタンドパイプからの安定液漏洩防止対策等について検討し、合理的な工事計画としています。

図―5 杭工事施工手順
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■ おわりに
昨年6月にスタートした解体工事は、1月中旬に完了後、杭工事に着手する予定です。地下工事および今年10月から開始する地上工事の内容については、改めて紹介します。
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