■はじめに
工事現場周辺は、リーガロイヤルホテルや大阪国際会議場を中心とする国際文化的施設が近接し、堂島川護岸上部の遊歩道沿いの豊かな緑に囲まれる良好な景観が保たれていました。しかし工事期間中は、遊歩道や植栽を撤去する必要があります。そこで、工事中といえども景観や環境維持に配慮し、「イメージアップ」と「第三者に見せる現場づくり」を目指しました。 ![]() ![]() 写真―2 施工部分全景 ■工事概要
中之島新線は、京阪電気鉄道天満橋駅から分岐し、大阪市営地下鉄堺筋線、御堂筋線、四つ橋線と交差しながら終点玉江橋駅まで約2.9km の地下鉄を建設するものです。大阪の東西都市軸の形成や都心機能の充実と都市活動の効率化、道路環境の改善や中之島西部地区の再開発促進などが期待されており、2009年に開業予定です(図−1)。 当社JVが担当する第1工区は、始点となる(仮称)玉江橋駅部(延長334m 2層箱型ラーメン構造)を開削工法で建設するものです(写真−2)。工事は、地下鉄工事に支障となる高水護岸や遊歩道の撤去とその代替施設の築造を完了して、現在、土留工を施工中です。 ![]() 図―1 全体計画概要 ■工事期間中の景観・環境の考え方 中之島新線事業は全体として、環境保全をキーワードに「人と工事現場を遮るのではなく融合させる」市民協力参加型の新たな工事スタイルの追及に取り組んでいます。 これを受け当工区は、工区周辺を国際文化ゾーンとして位置付け、「水・緑・光」をテーマとする以下の方針でイメージアップの具体化を図りました。
@大阪の顔「中之島」の歴史、工事内容の広報
A将来の復旧形態の模索 B工事期間中の話題性や集客性の向上 C環境や景観への配慮によるイメージアップ D中之島新線の認知度の向上 ■工事期間中の環境整備 上記@〜Dを踏まえ、以下の三つのテーマに 着目しました。また具体的提案に向けては、コ ンピューターグラフィックス(CG)による様々な 景観検討を行うと同時に費用対効果も検証しま した。 @仮遊歩道の景観環境整備 既存遊歩道の景観と環境を継承するため、仮 遊歩道に植栽帯を設け、2006年国際バラ会議も 意識してバラのパーゴラと木製ベンチによる休 憩スペースを設けました(写真−3)。 仮遊歩道手摺外側には、飛散養生の移動式透 明パネルを設置して、一般の人が現場作業を安 全に見ることができます。見られることにより、 作業員の身だしなみや整理整頓も良くなり、安全意識の向上が工事全体の安全性にもつながっ ています(写真−4)。 A工事占用柵の景観 工事占用柵については、緑豊かなイメージを もたせる緑化占用柵を提案し、経済性を考慮し 効果的な緑被率の設定や風荷重に対する安定性 検討、占用帯の拡幅・縮小時の移動性にも配慮 した構造としました。 さらに、CG アニメーションによる走行シミュ レーションを行い、昼間および夜間に運転者の 視覚への影響にも検討を加えました(写真−5)。 B船着場周辺の景観 仮護岸コンクリート壁は、背後の景観と一体 感や調和を演出できる色調を選定しました。 船着場周辺についても、くつろげる空間を創 出し、背後の梅田界隈の高層ビル群やホテルに も調和させるため、夜間はライトアップしてい ます。なお、花壇やベンチは、 既設遊歩道の施設を再利用して います(写真−2)。 また、船着場背面に情報発信基地としての「展 示ボックス」を設置しました。さらに環境対策や エコロジーを印象づける風力発電機を設置し、 蓄電した電力を、街路灯などに有効利用してい ます(写真−6)。 その他にも、水辺に対しては、フロート状の 植生マットを浮かべた水面緑化や堂島川の水を 循環利用した滝とそのライトアップも行ってい ます(写真−7)。
【CGによる検討】 【現況写真】
![]() 写真―3 仮遊歩道の景観 ![]() 写真―4 仮遊歩道手摺 緑化占用冊の検討(昼夜間)
【CG】 【現況】 ![]() 写真―5 走行シミュレーション
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