サステナビリティ

社長メッセージ

若手社員とともに考える
ESG経営に取り組む鴻池組のこれまでとこれから

2021年度から全社を挙げて取り組んできたESG経営、その具体策となる諸制度の新規導入や見直し。
若手社員は「鴻池組の変化」をどう捉えているのでしょうか。
そして社長の渡津は「これからの鴻池組」をどのように思い描いているのでしょうか。年代や立場を超えて率直に語り合いました。

若手が社長に質問をぶつけ話せる場
制度への思いを聞いて納得できた

高橋:
2022年に開催された名古屋の懇談会では、私を含め、参加者全員の話を渡津さんにじっくり聞いてもらえました。それ自体が自分にとっては大きなインパクトでした。鴻池組と同規模かそれ以上の企業では、現場勤務の若手社員が社長に直接会える機会ってめったにないんじゃないでしょうか。
渡津:
私は実家が町工場です。社長は従業員と同じ空間で働き、従業員との距離感も大変近いものでした。そうした社長像が印象深いためかもしれません。2021年に社長になってから社員との懇談会を開いてきました。今後も継続的に開いていくつもりですよ。
向井:
つくばでも懇談会があり、会社への要望について渡津さんと意見交換しました。制度の意義・意図をうかがえただけでなく、そこに至る渡津さん自身の思い、それを聞くことができて、本当によかったです。「ああ、そうなんだ」と納得感がありました。
渡津:
もちろん会社へ皆さんの要望を伝えることは大事です。でも会社の意思決定には手順と時間がかかります。それを待っているだけでいいのか、考えてみてほしいんです。
後藤:
渡津さんが「自ら動くんだ」って繰り返しおっしゃっていたのが印象的でした。
渡津:
皆さんの年頃の自分を振り返ると、何か課題を感じたら仲間を集め考えていました。改善案ができたら会社に提案するんです。もちろんダメ出しされたこともあります。一方で、実施できる場を見つけて試行すると、「これはいい」と受け入れられた活動や、全社展開につながった取り組みもあります。つまり、自分が行動を起こすことで会社は変えられます。その思いは今も変わりません。
曽根原:
東京の懇談会で司会を務めました。「こうなるといいな」という声は多かったけれど、現状を変えるために「こういうアイデアがある」と語ることができた参加者は、確かに多くはなかったですね。
渡津:
今、鴻池組で働く若い皆さんも、現状に疑問があるなら行動を起こしてください。上司や周りに伝え、知ってもらうとともに、仲間を集めて方策を考え具体化していく、そのいずれも大切だと思っています。

この2年で、鴻池組は大きく変容した
それでも変わらない「鴻池組らしさ」

向井:
執務スペースのフリーアドレス化に取り組む職場が出てきていますし、フレックスタイム制度や在宅勤務関連の制度・環境の整備によって、ワークライフバランスがとりやすくなりました。
曽根原:
社内のICT化も大きな変化です。数年前には想像もしていませんでした。コロナ禍の影響もありますが、仕事を効率化できるツールがどんどん導入されました。中でも、社内や協力会社との連絡専用チャットアプリがとても便利で手放せないですね。
渡津:
2014年から約4年間、社内のIT推進プロジェクトやIT戦略会議で責任者を務めました。若い頃、現場の課題解決に取り組んだように、IT領域の課題と解決方策をみんなで考えて様々な仕組みの導入へと道筋をつけていきました。それが今、そんな風に感じるレベルまで浸透しているとは、本当に嬉しい成果ですね。
後藤:
私がいいと思っているのは健康経営の取り組みです。とくに喫煙・禁煙をめぐる社内の雰囲気は様変わりしました。
渡津:
喫煙は従業員の健康に大きな影響を及ぼします。2023年度からは勤務時間内禁煙制度も始めました。会社としてきわめて重要な課題だと認識しています。とくに現場では制度導入に不安があったと聞いています。実際のところはどうでしょうか。
高橋:
自分の現場でも勤務時間内禁煙に取り組んでいますが、とくに困難は感じていません。「決めごとだからきちんと守ろう」という雰囲気です。
渡津:
ありがたいことです。そして、何かを変える時に異論があっても、会社として決めたことはきちんとやる、鴻池組の伝統はしっかり受け継がれています。たとえば、2022年度の大きな取り組みとしてESGの3領域について役職員全員が何かしら宣言しましょうという活動を始めました。すると、対象者全員が自分なりの宣言を書いてくれました。この役職員のまじめさは、いつの時代も変わりません。
曽根原:
一連の取り組みは、以前の働き方には絶対に後戻りしないだろうな、というレベルまで来ていますね。
渡津:
私が目指しているのはゼネコントップ10入りであり、いかに社会に貢献していくかです。それらを実現し、鴻池組で働く皆さんに「鴻池組へ入ってよかった」と満足してもらいたい。だから今後も、変えるところは変え、新しくすべきところは新しくし、そして根底にある「鴻池組らしさ」を大事にしていく。それがとても重要だと思います。

働くみんなが自ら考え、自ら動く
それが鴻池組を強くしていく

渡津:
皆さん、明日はまた自分の職場へ戻ります。今日の対話を踏まえ、取り組んでみたいことはありますか?
曽根原:
どんどん後輩が増えています。自分が受け身で待つのではなく、自分からこうしたいという思いを前面に出して行動していかなればいけませんね。
後藤:
私は新卒採用業務に携わる場面が多いのですが、ちょっとした「こうだったらいいのに」「こうしたい」という気付きを大切にしたいです。そして自分から動いていきます。それが魅力的な職場や、「鴻池組に入りたい」と思う学生さんを増やすことにつながると思います。その流れを意識しながら取り組んでいきたいです。
渡津:
これから入社する皆さんはもちろん、鴻池組で今働く皆さんとそのご家族にも「鴻池組でよかった」と感じていただけるようにしていきたいですね。とくに家族が喜んでくれていると、がんばることができます。その気持ちって今も昔も変わらないんじゃないでしょうか。
向井:
その観点から考えると、ワークライフバランス領域はこの2年で大きく進展しました。しかし、ここで満足してはいけません。社会の変化にアンテナを張り、課題を見つけ、さらに充実感を持って働ける会社にするため、積極的にアイデアを出していきたいです。
渡津:
企業が存続し成長するためには広く社会に目を向ける必要があります。「自分たちだけよければ」ではダメで、建設業界全体のことを考えないといけない。建設業自体が魅力的じゃないといけません。鴻池組で働く人や協力会社の皆さんが将来を明るく感じられるようにしていかなければなりません。そして、土木や建築を好きな人たちが鴻池組に集まってきてほしいですね。
後藤:
そうして集まってきた皆さんの入社後の適応・定着段階にも、できることがたくさんあると感じます。
渡津:
具体的な取り組みへつなげるには、所属部署を超えた横の関係をつくっていく、そしてアイデアを求めてどんどん相談していく。それら一つひとつの行動が、鴻池組を強くする力になるんです。そういえば曽根原さんと髙橋さんは同期なんですよね。
曽根原:
髙橋さんは土木の現場で私は建築営業ですから、ふだんの接点はありません。しかしこの対話に参加して、お互いの情報や専門性を結びつける重要性を感じています。
高橋:
現場勤務だと「現場では難しい」「自分一人では限界がある」と諦めてしまいがちですが、横のつながりを活かす重要性をあらためて感じました。
渡津:
課題を見つけたら詳しい人へ気軽に相談できて、関心があるメンバーを募り、サッと行動に移せる。そんな動きが活発になれば、社内の雰囲気はよりよいものになりますね。そんな風に、鴻池組で働く皆さんがいっそう力を発揮できる環境を整えることも、これからの鴻池組を強くすることにつながっていく。2023年度もいろんな施策に取り組んでいきます。今日はありがとう。
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